相対力指数(RSI)とは?
相対力指数(RSI)は、多くの取引戦略に使われているテクニカル指標です。買われ過ぎ・売られ過ぎといった市場の過熱感がわかるシグナルのため、ダイバージェンスのシグナルと併せて見ることで、より信頼性が高まるとされています。
RSI(相対力指数)とは?
RSI(相対力指数)は、テクニカル分析 によく使われるオシレーター系の指標です。買われ過ぎ・売られ過ぎといった相場のモメンタムや、ダイバージェンス(逆行現象)、隠れたダイバージェンスなどのシグナルを識別するためにRSIを使います。
RSIの算出方法は?
RSIは次の計算式で算出します。
・RSI=100ー100/(1+RS)
RSは損失に対する利益の大きさを相対的に表す指標です。「一定期間の平均利益÷一定期間の平均損失」で計算します。
簡単にまとめると、RSIは終値の下落幅(損失)に対する上昇幅(利益)を表し、0~100のパーセントで表示されます。
モメンタム指標とは?
一般的に、モメンタム指標は値動きの速さや大きさを測るテクニカル指標とされています。例えば相場の短期的なトレンドを測る基準になり、「買われ過ぎ」と「売られ過ぎ」のシグナルによってトレンドの健全性や持続性を読み取れます。
買われ過ぎのシグナルとは?
RSIは0から100のパーセントで表します。一般的に「買われ過ぎ」とされるのは、RSIが70以上となる場合です。
買われ過ぎの指標は、市場の短期的な上昇相場の過熱感を示すため、以降は相場の反落が予想されます。
売られ過ぎのシグナルとは?
一般的に「売られ過ぎ」とされるのは、RSIが30以下になる場合です。
売られ過ぎの指標は、市場の短期的な下落相場の過熱感を示すため、以降は相場の反発が予想されます。
RSIの買われ過ぎのシグナルを使った取引方法
70を超えて買われ過ぎのシグナルが出ていたRSIの値が70以下に戻るとき、トレンドが上昇から下落へ転換すると予測できます。よって、下記の2つの取引方法が考えられます。
- 買いポジションを保有している場合、買われ過ぎを示すRSIを利益確定のシグナルと考えることができます。相場の下落を予測し、ポジションを決済して手仕舞いします。
- 未決済のポジションを保有していなければ、買われ過ぎのシグナルを「売り取引」を始めるためのシグナルと捉えることができます。相場の下落を予想し、売りポジションを保有します。
RSIの売られ過ぎのシグナルを使った取引方法
30を下回って売られ過ぎのシグナルが出ていたRSIが30以上に戻るとき、トレンドが下落から上昇へ転換すると予測できます。よって、下記の2つの取引方法が考えられます。
- 未決済のポジションを保有していなければ、売られ過ぎのシグナルを「買い取引」を始めるためのシグナルと考えることができます。相場の上昇を予測し、通常は買いポジションを保有します。
- 既に空売りのポジションを保有している場合、売られ過ぎを示すRSIを利益確定のシグナルと捉えることができます。価格自体が下落して利益が生じていれば、売りポジションを決済して利益を確定します。
RSIのダイバージェンスとは?
一般的に、価格が上昇するとともにRSIも上昇し、価格が下落するとともにRSIも下落する傾向があります。しかし価格は上昇しているのにRSIが下落したり、価格は下落しているのにRSIが上昇したりする「ダイバージェンス(逆行現象)」が起こることがあります。ダイバージェンスを活かした取引方法についても学んでいきましょう。
RSIのポジティブ(強気の)ダイバージェンス
価格は安値を切り下げているのに、RSIが安値を切り上げている場合、ポジティブダイバージェンスのシグナルと考えられます。RSIが売られ過ぎの領域にあるときに発生する方が、望ましいとされます。
RSIで売られ過ぎのシグナルが点灯している時にポジティブダイバージェンスが観測される場合、強い「買い」のシグナルとみなすことができます。
RSIのネガティブ(弱気の)ダイバージェンス
価格は高値を切り上げているのにRSIは高値を切り下げている場合、ネガティブダイバージェンスのシグナルと考えられます。RSIが買われ過ぎの領域にあるときに発生する方が、望ましいとされます。
RSIで買われ過ぎのシグナルが点灯している時にネガティブダイバージェンスが観測される場合、強い「売り」のシグナルとみなすことができます。
RSIが役立つ取引戦略とは?
RSIは、0から100の間という決まった値の範囲を推移する指標です。売り・買いどちらの取引においても、一定の値幅で価格が上下するレンジ相場との相性が良いと考えられています。
しかし、多くの場合、相場は方向性を持って動きます。トレンド相場では、トレンドと一致するシグナルでポジションを保有し、トレンドに反するシグナルで決済するために、RSIを使うのが一般的です(トレンドの反転を予測した新規のポジションを保有するためのシグナルではありません)。
下図の例は、上昇トレンドにある相場を示しています。売られ過ぎのシグナルが、買いポジションを保有するシグナルとして機能していることがわかります。一方、買われ過ぎのシグナルは、新たな売り取引を始めるためではなく、ポジションを決済するためのシグナルとして役立ちます。
下図の例は、下降トレンドにある相場を示しています。買われ過ぎのシグナルは、売りポジションを保有するシグナルになることがわかります。売られ過ぎのシグナルは、現在の取引を決済するためのシグナルとして活用できます(新たに買いポジションを保有するためのシグナルではありません)。
RSIとストキャスティクスの違い
RSIとストキャスティクスは、両方ともオシレーター系の指標です。性質は似ていますが、指標を算出する方法は異なり、同じものではありません。RSIは一定期間の平均利益と平均損失の比率を計算するのに対し、ストキャスティクスは一定期間の最高値と最安値に対する終値を計算します。
RSIの買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルはそれぞれ70と30の水準で判断するのに対し、ストキャスティクスでは80と20の水準で判断するのが一般的です。
RSIとストキャスティクスは似たような傾向のシグナルとなりますが、厳密には異なります。例えば、RSIでは買われ過ぎ・売られ過ぎの状態であっても、ストキャスティクスでは過熱状態のシグナルが出ていないこともあります。
そのため、両方のシグナルの一致を待ってから売買を決定するトレーダーもいます。一方、分析を簡便化するため、片方の指標を使用するトレーダーもいます。
RSIの基礎知識まとめ
- RSIはオシレーター系の指標/モメンタム指標
- 買われ過ぎ・売られ過ぎの判断に役立ちます
- 価格は安値を切り下げているのに、RSIは安値を切り上げている場合、ポジティブダイバージェンスのシグナルと考えられます
- 価格は高値を切り上げているのにRSIは高値を切り下げている場合、ネガティブダイバージェンスのシグナルと考えられます
- RSIは一定の幅を上下する指標で、レンジ相場での使用に向いています
- トレンド相場において、トレンドの方向と一致するシグナルは、より信頼性が高いと考えられます
- トレンド相場において、トレンドの方向に反するシグナルは、取引の開始ではなくポジションの決済をする機会と考えられます
- RSIと似た指標にストキャスティクスがありますが、指標が示す意味と算出方法が異なります
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