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MACDの見方や使い方を解説

MACDとはテクニカル分析に使われる指標の1つです。この記事では、よく使われるMACDの手法を3つ取り上げながら、MACDの見方や使い方、チャートの読み方について解説します。

Source: Bloomberg

MACDとは

MACD(移動平均収束拡散手法)とは「Moving Average Convergence Divergence」を略したもので、「マックディー」と読みます。MACDは、相場の勢いを確認するために用いられるテクニカル指標です。トレンドが上昇しているか下降しているかを確認し、取引シグナルを導き出したり、取引のチャンスを見つけ出したりするために使用されます。

MACDの見方の基本

MACDの見方について見ていきましょう。MACDでは、2本の移動平均線とヒストグラムを使います。

MACD線とシグナル線

インジケーター内の2本の線は、単純移動平均(SMA)のように見えるかもしれませんが、実際には層状の指数平滑移動平均線(EMA)です。メインの遅い線がMACD線で、速い線がシグナル線です。2本の移動平均線が一緒になった場合は「収束」、離れていった場合は「発散」と言われます。

ヒストグラム

ヒストグラムとは、この2本の線の差を棒グラフで表したものです。MACDがゼロラインの上で取引されていれば、上昇トレンドにあると考え、またこれを下回れば、下降トレンドにあると考えることができます。

市場価格が上昇傾向にあり、高値や安値を更新したり、重要な抵抗線を突破したりした場合、トレーダーはロング(買い)を選ぶ傾向にあります。一方、高値・安値の切り下げや支持線の突破を特徴とする下降トレンドにある場合は、ショート(ロング)が選ばれる傾向にあります。

MACDの計算式

MACDは、次の計算式で算出されます。

MACD=短期EMA-長期EMA
シグナル(MACDシグナル)=MACDのEMA

パラメーターの値は、それぞれ短期EMA=12、長期EMA=26、MACDシグナル=9に設定されることが一般的です。これはすべてに推奨されているわけではなく、取引したい銘柄や、マーケットの状況によって変更する必要があることに注意しましょう。

MACDを使った3つの戦略

  1. 2本のラインの交差に注目する
  2. ヒストグラムの反転に注目する
  3. ゼロラインの交差に注目する

2本のラインの交差に注目する「クロスオーバー戦略」

MACDラインとシグナルラインは、ストキャスティック・オシレーターと同じように利用することができ、2本のラインが交差するところが売買シグナルとなります。ほとんどのクロスオーバー戦略と同様に、短期的で反応の良いライン(この場合はMACD線)が、遅いライン(シグナル線)の上を横切ったときに買いのシグナルが出ます。逆に、MACD線がシグナル線の下を交差した場合は、弱気の売りシグナルとなります。

クロスオーバー戦略はもともと遅行性であるため、ポジションを注文する前にこの動きが発生するのを待つことが基本です。市場のトレンドが弱い場合にMACDが直面する主な問題は、シグナルが発生した時点で価格が反転ポイントに達している可能性があることです。これは「偽シグナル」とみなされます。シグナルを確認するためにプライスアクションを利用する戦略は、より信頼性が高いとみなされる傾向があります。

以下のチャートは、標準的なクロスオーバー戦略を示しています。収益性の高いエントリーポイントは緑色の縦線で、偽シグナルは赤色の縦線で表わされています。

ヒストグラムの反転に注目する「ヒストグラムの反転戦略」

ヒストグラムも、相場のトレンドを読むときに役立ちます。先述したように、ヒストグラムの棒グラフは、MACD線とシグナル線の差を表したものです。市場価格が一定の方向に強く動いているときにはヒストグラムの高さが大きくなり、ヒストグラムが縮小するときには市場の動きが鈍くなっていることを示しています。

つまり、ヒストグラムの棒グラフがゼロから遠ざかるにつれて、2本の移動平均線はさらに離れていくことになります。最初の拡大局面が終わると、こぶのような形が現れる可能性が高くなります。これは移動平均線が再び引き締まっていることを示すシグナルであり、クロスオーバーが間近に迫っていることを示す初期の兆候となります。

ヒストグラムの反転戦略は、前述の遅行型クロスオーバー戦略とは対照的に、先行型の戦略だといえます。ヒストグラムの反転戦略は、今発生しているトレンドを利用してポジションを建てることを基本としているため、市場の動きが実際に起こる前に戦略を実行することができます。

下のチャートは、MACDヒストグラムを取引ツールとして活用する可能性を示しています。MACDヒストグラムの反トレンドの動きを2回待つことで、そのような動きが反転ではなく一回限りのものになる可能性を軽減することができます。このツールをトレンドの方向に使用することで、下のチャートでは、3つの利益のある取引と1つの損失のある取引が強調されています。MACDが反対方向に反転し始めた時点でポジションを清算し、取引を終了するためにもこのツールを使用することができます。

ゼロラインの交差に注目する「ゼロクロス戦略」

この戦略では、どちらかのEMAがゼロラインを横切ることに注目します。MACDがゼロラインを下から横切った場合は、新たな上昇トレンドが発生している可能性があり、MACDが上から横切った場合は、新たな下降トレンドが発生している可能性があることを示しています。

このシグナルは、3つのシグナルの中で最も遅いシグナルと考えられているため、通常、シグナルの数は少なくなりますが、誤った反転も少なくなります。戦略としては、MACDがゼロラインを超えたときに買い(またはショートポジションを閉じる)、MACDがゼロラインを下回ったときに売り(またはロングポジションを閉じる)を行います。

この手法には、シグナルが遅れるという性質があります。急激に変動する市場では、シグナルの発生が遅れることが多いので、慎重に使用する必要があります。しかし、相場の反転を見極める際、MACDとゼロラインの関係は有効なシグナルを発信してくれます。

下のチャートはAUD/USDのものです。過去に3つのシグナルが示され、今は4つ目のシグナルが出始めています。これらのシグナルを利用し、適切なタイミングでポジションの注文・決済をしていれば、いずれも利益を得られたはずです。また、クロスオーバー方式ではなくゼロクロス方式を採用していれば、多くの誤信号を回避することができたでしょう。

ゼロクロス戦略を使用する際には、どのタイミングで保有ポジションを清算するべきか、またはストップ注文をしておくべきかを理解しておくことが重要です。下図の例では、トレンドラインを何度かブレイクしているのがわかります。これはトレードを終了するのに適したタイミングであることを示しています。また、前回の安値(上昇トレンド)を下回った場合や、前回の高値(下降トレンド)を上回った場合にも、取引を終了するのが望ましいでしょう。

MACDを使うベストなタイミングとは

MACDはいつ使うのがベストなのでしょうか。テクニカル分析を重視しないトレーダーや、MACD以外のテクニカル指標を使うトレーダーなど、投資スタイルはさまざまです。よって、「MACDを使うのに最適なタイミングはここだ!」と一概に決めることはできません。

また、先述した戦略のどれを利用するかによって、最適なタイミングが異なります。遅行型の戦略を選択した場合、できるだけ早くシグナルを受け取るためには、MACDインジケーターをよく見ていなければなりません。しかし、ヒストグラムのように先行する戦略を選択した場合は、シグナルが事前に表示されるため、MACDのチェックに費やす時間は少なくて済むでしょう。

FX取引初心者から上級者まで幅広く使われているMACD。FXだけでなく、株式 、株価指数 、商品などあらゆるチャートで使えるのが魅力です。IG証券ではライブ口座だけでなくデモ口座もご用意していますので、無料のデモ環境でチャートの読み方を練習するのもお勧めです。

MACDの見方や使い方のポイントまとめ

  • MACDは、最も一般的に使用されているテクニカル分析指標の一つです。
  • 2本の移動平均線とヒストグラムの3つの要素で構成されています。
  • 2本の移動平均線が一緒になった場合は「収束」、離れた場合は「発散」と呼ばれます。
  • 2本の線の差はヒストグラムで表されます。
  • MACDには、クロスオーバー、ヒストグラム反転、ゼロクロスという3つの一般的な戦略があります。
  • MACDを使用する最適なタイミングはありません。個人的な好みや、それぞれの取引プランに応じて活用してください。


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