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FRBの利下げとソフトランディング期待で米半導体株に買い、最高値更新のS&P500、追撃するナスダック100の短期見通し

多くの機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500種株価指数は26日、再び最高値を更新した。ソフトランディングのシナリオで半導体株が買い戻されナスダック100も強気相場を維持。S&P500を追撃し、7月の最高値20,675ポイントが視野に入る。ナスダック100の短期見通しについて。

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記事のポイント

・強気相場にある米国株、S&P500は26日に再び最高値を更新
・FRBの大幅利下げ以降、主力の米半導体株に買戻しが入る
・S&P500を追撃するナスダック100、焦点は7月の最高値の突破
・一方、調整の反落局面では19,600ポイントの維持が焦点に


FRBの大幅利下げでグロース優勢

米国株が強気の地合いを維持している。多くの機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500種株価指数(S&P500)は26日の市場で前日比23.11ポイント(0.40%)高の5,745.37と、再び最高値を更新した。ダウ平均も前日比260ドル36セント(0.62%)高の42,175ドル11セントと反発して終えた。

今の米株高を支えているのが、連邦準備制度理事会(FRB)による50ベーシスポイント(0.5%)の大幅利下げとその恩恵を受けているグロース株の買いである。

この点についてグロース株とバリュー株の比を確認すると、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の大幅利下げに対する期待が高まって以降(そして実際にそれが実行されて以降)、グロース株優勢の状況が鮮明となっている(下のチャート、赤ラインを参照)。

S&P500 グロース指数とバリュー指数の動向:日足 2024年4月以降

S&P500 グロース指数とバリュー指数の動向:日足 2024年4月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

半導体株に買い、ナスダック100を下支え

グロース株のなかでも、米半導体株の買い戻しが進行している。24年9〜11月期の売上高について強気の見通し(約87億ドルと過去最高に達するとの予想)を示したマイクロン・テクノロジー(MU)は、9月のFOMC以降25%急騰している。先行きが不安視されているインテル(INTC)は15%、エヌビディアの座を狙うアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)と半導体装置大手のアプライド・マテリアルズ(AMAT)はそれぞれ12%上昇し、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の上昇率(9.2%)を上回っている。

そしてこれら主力半導体株の上昇は、ハイテク株比率の高いナスダック100の押し上げ要因となっている。下のパフォーマンスチャートを見ると、他の株価指数と比べてナスダック100の上昇率が拡大していることが分かる。

アメリカ半導体株と主要指数の動向:9月19日~26日

アメリカ半導体株と主要指数の動向:9月19日~26日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

ソフトランディング期待と投資家の思惑

9月FOMC以降のS&P500のセクター別パフォーマンスを確認すると、ディフェンシブの公共セクターが2.1%上昇している。26日のIGコモディティレポート「NY金、連日で最高値更新 FRBの利下げと米大統領選挙は金価格の押し上げ要因に 短期の見通し」で述べたとおり、安全資産である金価格が連日で最高値を更新する状況にあることも考えるならば、投資家が景気の先行きを不安視していることが分かる。原油先物価格の下落もこの点を示唆している。

しかし、公共セクター以上に情報技術、素材そして一般消費財など景気に敏感なセクターがS&P500以上に上昇している。

上で述べた状況を総合的に考えるならば、パウエルFRBが描く景気のソフトランディング(景気が急速に悪化することなくインフレを抑制し、かつ適度に景気が減速していく)シナリオを、現時点で投資家が支持していることがうかがえる。

S&P500 セクター別のパフォーマンス:9月19日~26日

S&P500 セクター別のパフォーマンス:9月19日~26日

ブルームバーグのデータで筆者が作成


ナスダック100、注目のチャート水準

レジスタンスポイント

・20,904:フィボナッチ・エクステンション100.0%
・20,675:7月に付けた最高値の水準(終値ベース)
・20,313:フィボナッチ・エクステンション76.4%

サポートポイント

・20,000:サポートの水準
・19,723:10日線(9/26時点)
・19,600:サポート転換を意識する水準
・19,337:半値戻しの水準


ナスダック100、7月の最高値が視野に

上で述べた現在の状況を総合的に考えるならば、ナスダック100ダウ平均S&P500を追撃する展開が予想される。

具体的には、7月10日に付けた過去最高値20,675.38ポイント(終値ベース)のトライそしてブレイクアウトが視野に入る展開を想定しておきたい。

ナスダック100が20,675ポイントを目指すシグナルとして注目したいのが、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準20,313ポイントの攻防である。日足のMACDはナスダック100が強気地合いを維持していること示している。RSIでは短期的な過熱サインは見られない。昨日、節目の20,000ポイントを維持して終えた状況も考えるならば、今日以降、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準20,313ポイントをトライそして上方ブレイクする展開を想定しておきたい。

ナスダック100が7月の最高値20675.38ポイントをも突破する場合は、フィボナッチ・エクステンション100.0%の水準20,904ポイントを視野に上昇幅が拡大する可能性が高まろう。

ナスダック100のチャート:日足 2024年7月以降

ナスダック100のチャート:日足 2024年7月以降

出所:TradingView

ナスダック100、注目の下値水準は?

今日は、8月の個人消費支出(PCE)価格指数(PCEデフレーター)が発表される。注目はコア指数である。前月比は0.2%の上昇で前月からほぼ横ばいの推移が予想されている。一方、前年同月比は2.7%の上昇と、前月の2.6%増からの小幅ながらも上昇する見込みである。予想外にインフレの粘着性が確認される場合は、米国株の反落要因となろう。このケースでは、半導体株の利益確定売りを警戒したい。

アメリカ個人消費支出価格指数:23年8月以降

アメリカ個人消費支出価格指数:23年8月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

また来週は、今夏のジェットコースター相場の要因となったISM製造業・非製造業景気指数と雇用統計の9月データが発表される。今日のPCEデフレーター以上に材料視される可能性があろう。

これら重要指標が総じて市場予想を上回る場合は、上で述べた景気のソフトランディング期待が高まることで、ナスダック100は最高値の更新、そして新たな高値水準を目指す展開が予想される。

問題は、さえない内容が続く場合である。このケースでは、ソフトランディングのシナリオに対する懸念が強まることが予想される。ゆえに、さえない米経済指標は半導体株の下落幅が拡大する要因になり得る。ナスダック100の下落圧力も増すだろう。

今日以降の米経済指標がナスダック100の調整相場を促す場合に注目したいのが、19,600ポイントの維持である(下の1時間足チャートを参照)。この水準は、すぐ下のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準19,558ポイントともにサポートラインへ転換する可能性がある(下の1時間足チャートを参照)。

ナスダック100が19,600ポイントを目指すかどうか?この点を見極めるため、まずは節目の20,000ポイントの攻防に注目したい。ナスダック100がこの節目の水準を下方ブレイクする場合は、19,700ポイント台まで上昇している10日線の攻防に注目したい。

ナスダック100が10日線を完全に下方ブレイクする場合は、19,600ポイントを視野に下落幅の拡大を警戒したい。

なお、来月にナスダック100が19,600ポイントをも下方ブレイクする場合は、同じくサポートラインへ転換する可能がある半値戻しの水準19,337ポイントの攻防に注目したい(下の1時間足チャートを参照)。

ナスダック100のチャート:1時間足 9月以降

ナスダック100のチャート:1時間足 9月以降

出所:TradingView


再掲:ナスダック100 注目のチャート水準

レジスタンスポイント

・20,904:フィボナッチ・エクステンション100.0%
・20,675:7月に付けた最高値の水準(終値ベース)
・20,313:フィボナッチ・エクステンション76.4%

サポートポイント

・20,000:サポートの水準
・19,723:10日線(9/26時点)
・19,600:サポート転換を意識する水準
・19,337:半値戻しの水準



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