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焦点は米インフレ関連指標 / ドル円の注目ポイントは?

今週の焦点は米インフレ関連の指標となろう。特に13日の消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。インフレの動向次第で米ドル相場のトレンドが左右されよう。ドル円は145円台で底堅い展開となっている。目先の注目ポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

今週の焦点は米インフレ関連の指標


【サマリー】
・「米金利の上昇→米株安」で米ドル高トレンドが進行
・今週の焦点は米インフレ関連の指標 特に消費者物価指数の内容に注目
・ドル円は新たなレジスタンスポイントを探る展開に
・臨時策の限界で再び下落のリスクが高まってきたポンドドル


・米金利の上昇と米株安で進行する米ドル高トレンド

9月雇用統計で労働市場の堅調さがあらためて確認されたことで、米債市場では連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策の長期化が意識される状況にある。

事実、2年債利回りは4.3%台の水準を維持する一方、10年債利回り(長期金利)は再び節目の4%を視野に上昇基調を維持している。

また、短期金融市場では11月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ポイント利上げの確率が78%まで上昇している。

これらの動きを受け、米国の株式市場ではナスダック総合指数が昨日、9月30日以来となる年初来安値を更新した(終値10,542.10)。

米金利とナスダック総合指数のチャート

米金利とナスダック総合指数のチャート Trading View 日足(今年7月以降)


米国市場の動きは、外為市場で米ドル高トレンドをサポートしている。米ドル相場の方向性を示すドルインデックス(DXY)は113ポイント台を難なく回復している。

「米金利の上昇→米株安」のトレンドが続く場合は、9月28日に付けた高値114.77レベルのトライおよびブレイクが焦点として浮上しよう。

ドルインデックスと米長期金利のチャート

ドルインデックスと米長期金利のチャート Trading View 4時間足(9月19日以降)

・今週の焦点は米インフレ関連の指標

米国市場で「金利の上昇/株安」のトレンドが進行するかどうか?この点を見極める上で、今週はアメリカのインフレ関連指標が重要な材料となろう。

12日に9月生産者物価指数(PPI)、13日に同月消費者物価指数(CPI)が発表される。

今年に入りPPIは低下基調にある。このトレンドが続いていることが確認される場合は、一時にせよ米金利の上昇圧力が後退する可能性がある。逆に予想外に強い内容となれば、翌日発表されるCPIへの警戒感が高まろう。ゆえに米国市場では「金利の上昇/株安」のトレンドが続くことが予想される。

インフレの動向を考える上でPPIは重要な指標である。しかし、各市場参加者の関心はCPIの方に集中している。ゆえにPPIで低下基調が確認されてもCPIが予想以上に強い内容となれば、根強いインフレリスクと米金融引き締めの長期化が意識され、米国市場では「金利上昇/株安」のトレンドがさらに進行するだろう。

インフレ関連の指標が総じて強い内容となれば、外為市場では米ドル高トレンドのさらなる進行を想定しておきたい。特に、米金利と高い相関関係にあるドル円(USDJPY)は円買い介入の警戒感をこなしながら、新たなレジスタンスポイントを探る展開が予想される。

アメリカのインフレ関連指標

アメリカのインフレ関連指標 米労働省/ブルームバーグのデータより作成 月次(2020年以降)

ドル円の焦点とチャートポイント

・新たなレジスタンスポイントを探る展開に

ドル円(USDJPY)は昨日、高値145.80レベルまで上昇した。

日本政府と日銀による円買い介入第2弾の可能性はくすぶるが、現在の上昇トレンドの軸が日米金融政策スタンスの差にあることを考えるならば、再び円買い介入が実施されても「新たな買い場」を提供するだけであることは、9月22日以降の動き(2兆8382億円の円買い介入に踏み切って以降の上昇)が示唆している。

ドル円の上昇トレンドが続くことを想定する場合、目先の焦点は「新たなレジスタンスポイントの見極め」にある。

目先は、9月22日の高値145.90レベルのトライおよびブレイクに注目したい。このレベルを完全に突破してくる場合は、146円台への上昇が次の焦点となろう。

ドル円が146円台の攻防へシフトする場合は、1998年6月の高値146.79レベルのトライおよびブレイクが注目される。当時はこの水準(146.79レベル)で一度上昇が止められ、8月上旬に高値147.67を付けるまでレンジ相場が続いた経緯がある。

上で述べた米インフレ関連の指標で「米金利の上昇→リスク回避相場」のトレンドが加速する場合は、146.79レベルのブレイクおよび147.67レベルのトライが焦点として浮上する展開が予想される。

ドル円のチャート

ドル円のチャート Trading View 週足(1998年~1999年前半)

・144.90レベルのサポート転換

一方、さえない経済指標などで米金利が低下する場合は、ドル円(USDJPY)の反落を想定しておきたい。

反落局面での焦点は、「144.90レベルのサポート転換」である。先週7日の陽線でその可能性が高まりつつある。これまで強固なレジスタンスポイントとして相場の上昇を止めていた144.90レベルがサポートポイントへ転換する場合は、ドル円の上昇トレンドがさらに進行するシグナルの一つとして想定しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート Trading View 日足(今年8月以降)

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