アンジェスが一時14%高 ワクチン第2/3相臨床試験の接種完了
アンジェスは10日、新型コロナワクチンの第2/3相臨床試験で500症例の接種を完了したと発表した。これを受け、株価が一時14%高となった。
創薬ベンチャーのアンジェス<4563>は10日、大阪大学と共同で開発中の新型コロナウイルス向けのDNAワクチンの第2/3相臨床試験で500症例の接種を完了したと発表した。この発表を受け、アンジェス株は大幅高となっている。
アンジェスの株価は午前10時12分現在、前日比116円(12.34%)高の1056円で推移している。一時、14.57%高の1077円まで上昇し、2月24日以来2週間ぶりの高値を付けた。
昨年12月に始めた第2/3相臨床試験は、ワクチンの用法および用量における安全性と免疫原性の評価を目的としたもの。接種は関西と関東の8施設で実施された。接種間隔は2種(2週間間隔で2回接種を250症例、および4週間間隔で2回接種を250症例)で、それぞれプラセボを50症例含む。
今後、数カ月間の経過観察期間を経て、安全性と免疫原性の評価を行うという。当初の発表によると、第2/3相臨床試験の期間は22年3月まで。接種後52週間をフォローアップ期間としている。
アンジェスは昨年の第1/2相臨床試験で60症例の接種を行い、試験成績を総合的に判断する速報結果を同年12月までに公表するとしていた。しかし、当初の見込み以上に有効性としての免疫原性の分析に時間を要しており、データが揃い次第発表すると方針を変更した。
その後、第2/3相臨床試験の結果と合わせて、今年6月頃に発表することを明らかにしている。
タカラバイオ株も上昇
一方、アンジェスのワクチンを受託製造するタカラバイオ<4974>は先月、製造関連設備について今年秋ごろの稼働を目指して整備していると明らかにした。
これに先立ち、昨年11月に仲尾功一社長が本社(滋賀県)の再生医療製品の研究・製造施設に新たに95億円を投じてワクチンの製造体制を整える計画を発表。全額をワクチン生産などに資金援助する政府補助金で賄うと述べている。
タカラバイオの株価は113円(3.96%)高の2966円で取引されている。
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