原油価格、年内は70ドル超を維持へ 22年は一時100ドルも—BOA
北海ブレント原油価格は年内は1バレル=70ドルを上回る水準にとどまると見込まれる。バンクオブアメリカが予想した。22年は一段高となり、一時100ドルまで上昇する可能性があるという。
北海ブレント原油価格は年内は1バレル=70ドルを上回る水準にとどまると見込まれる。バンクオブアメリカ(BOA)が予想した。2022年は一段高となり、一時100ドルまで上昇する可能性があるという。
BOAのストラテジストは6月30日に米CNBCで、石油輸出国機構(OPEC)の大半の加盟国、および非加盟の主要産油国にとって原油価格はようやく採算ラインを上方に抜け始めたところだと述べた。
もっとも、産油国の多くは価格が当面、現行水準にとどまることを望んでいるもようだとし、これ以上上昇すれば、新興国経済に打撃を与える可能性があるためと説明した。例えば、インドにとって75ドルは相当高い水準だという。
産油国別の損益分岐点についてRBCがまとめた調査がある。それによると、アラブ首長国連邦(UAE)は65ドルで、ロシアは72ドル。サウジは77ドルだ。産油国全体では93ドルになるが、これには300ドル超のベネズエラが含まれる。
先のBOAのストラテジストによると、ブレント原油の年初来の平均価格は64ドル。この先、価格は年末まで70ドル台で推移し、年間の平均価格は68ドルになると見込む。
一方、世界景気の回復による需要増を背景に22年の原油価格は一段高になり、一時100ドルまで上昇する可能性があると述べた。
米シェールオイルについては、業者が増産の意向をみせており、過去における最大水準である日量1300万バレルの産油量の22年末までの回復を見込む。
BOAは6月21日付のリポートでブレント原油の平均価格について、22年に75ドルに上昇した後、23年に65ドルに低下すると予想している。
6月30日のインターコンチネンタル取引所(ICE)で北海ブレント原油先物の期近の8月限は前日比0.37ドル(0.49%)高の75.13ドルで取引を終えた。同月28日に一時、76.60ドルまで上昇し、18年10月以来の高値を付けた。
OPECプラスの動向
OPEC加盟国とロシアなど非加盟国から成る「OPECプラス」は1日の会合で、8月以降も協調減産の規模縮小を継続するか協議する。
OPECプラスは今年5月から22年4月にかけて段階的に減産幅を縮小する予定。
一方、ロイターは6月30日、複数の関係者の話として、OPECプラスが22年4月以降も協調減産を続けるか協議する見通しと伝えた。OPECプラスの合同専門委員会は、22年末までに原油が供給過剰になるとの見方を示しているという。
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