アステラス株が続伸、ノーベル生理学・医学賞に細胞の低酸素応答
・アステラス、腎性貧血治療薬を開発
・連日のノーベル賞思惑買い
8日の東京株式市場でアステラス製薬<4503>が続伸した。2019年のノーベル生理学・医学賞に、細胞の低酸素応答を解明した米英の研究者3人が選ばれるなか、研究者らの知見に基づき治療薬を開発したアステラスなど一部の製薬株に買いが入った。
日本時間7日夜に発表となった生理学・医学賞は「細胞の低酸素応答の仕組みの解明」に携わった米ハーバード大学のウィリアム・ケーリン教授、英オックスフォード大学のピーター・ラトクリフ教授、米ジョンズ・ホプキンス大学のグレッグ・セメンザ教授が受賞した。
低酸素状態になった細胞に酸素不足を知らせるたんぱく質である「低酸素誘導因子(HIF)」が存在することを1990年代にセメンザ氏が発見。2001年にケーリン、ラトクリフ両氏が、酸素が十分にある状態では一部が分解されるHIFが、低酸素状態になると分解されないことを分子レベルで解明した。HIFは酸素を運ぶ赤血球の増加を促進し、貧血などを防ぐ。
アステラスは、低酸素状態におかれた時に起こる生理学的反応を誘導することで赤血球の産生を増加させ、赤血球を増やすホルモンをうまく作れない人工透析患者の腎性貧血を改善する治療薬「エベレンゾ」(一般名・ロキサデュスタット)を開発。9月20日に製造・販売の承認を受けた。
アステラスの終値は前日比30円(1.99%)高の1535.5円。
アステラスは7日もノーベル賞関連の思惑買いで上昇している。生理学・医学賞の有力候補の1人とされていた京都大学の森和俊教授が専門とする「小胞体ストレス応答(UPR)」に関連する治療薬をアステラスは米国企業と研究開発している。
また、腎性貧血患者を対象とした治療薬を製造する日本たばこ産業(JT)の子会社鳥居薬品<4551>も高い。終値は18円(0.64%)高の2820円。
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