デンカが続伸、新型コロナ検査キット開発で感染研と共同研究
・2~3カ月以内のキット完成目指す
・九大とのがんゲノム検査の共同研究も発表
24日の東京株式市場で化学メーカーのデンカ<4061>が3日続伸。前引け後、新型コロナウイルスへの感染を診断する簡易検査キットの開発で国立感染症研究所(感染研)と共同研究契約を締結したと発表したことが材料視されているもよう。
終値は前日比108円(5.31%)高の2140円。引け際に5.86%高の2151円まで買われた。
デンカは、連結子会社のデンカ生研が感染研と新型コロナウイルス感染の診断法開発を共同で研究すると発表した。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究班への参画を通じ、感染研から必要な抗体と抗原を分与を受け、イムノクロマト法による簡易検査キットの開発を進めている。
通常、簡易検査キットの製造販売承認の取得までには最短で1年半から2年を要する。デンカは関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援を仰ぎながら、2~3カ月以内の試作品の完成・評価、および体外診断薬の国内薬事承認の取得を前提に、1年以内に最大1日10万検査分の量産体制の構築を目指すという。
デンカは2月13日、新型コロナウイルスの簡易検査キットの開発に着手したことを明らかにしていた。
一方、同社はELISA法や遺伝子診断法など、イムノクロマト法による抗原検出以外の診断方法も同時に検討を進めている。
2019年9月に株式33.4%取得した台湾企業PlexBioにおいて、新型コロナウイルスとその他の呼吸器感染症関連ウイルスの有無を同時に測定する検出法を開発しており、すでに試作品が完成した。今後台湾で実用化に向けた検証を行い、日本での展開も検討するという。
がんゲノム検査
これに先立ち、デンカは24日朝、遺伝子の変異から個人に最適ながんの治療法を探るがんゲノム検査を6月から九州大学と共同で研究することも発表している。期間は23年3月末まで。
九州大学に先進的ながんゲノム検査に関する共同研究部門を設置する。デンカは経営計画でヘルスケア事業を経営の柱の1つに位置づけており、ワクチン・検査試薬事業でのコア技術をがん領域に広げることを目指している。
株価は前場で5.61%高の2146円まで上昇した。これより安く前引けした後、新型コロナウイルス検査キットに関する発表で、再度買われる展開だった。
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