大陽日酸が続伸、親会社三菱ケミカルHDが出資形態見直すとの報道
・三菱ケミカルHDが51%出資
・企業統治改革の強化が背景
10日後場の東京株式市場で大陽日酸<4091>が3日続伸。三菱ケミカルホールディングス<4188>が大陽日酸などの上場子会社への出資形態を見直していると伝わったことなどが材料になった。
午後2時15分現在、前日比82円(3.71%)高の2294円で推移している。
日本経済新聞は10日付で、三菱ケミカルHDの社内で上場子会社の出資見直し論が浮上していると報じた。少数株主との利益相反が起きるとして親子上場が投資家から批判されているためという。昨今強まりつつある企業統治改革の流れが背景にある。
三菱ケミカルHDは大陽日酸に51%出資しており、今後の扱いが注目される。三菱ケミカルHDは、企業価値を高めるうえで完全子会社化と売却のどちらが望ましいのかを様々な観点から議論しているという。
三菱ケミカルHDの越智仁社長は8月の会見で、ホールディングスと事業会社の関係性については考え直す時がきていると述べていた。
投資判断引き上げ
また、証券大手による投資判断の引き上げを受けて上昇した前日からの流れも続いた。
ジェフリーズ証券は今週、大陽日酸の投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げ、また目標株価も2200円から2700円に引き上げた。2021年3月期はエネルギー価格の低下によりマージンが改善すると予想し、業績見通しを上方修正した。
大陽日酸は米国でディストリビューターの買収を続け、収益性向上に結び付くネットワーク密度の一層の拡充を図ると予想。同社は16年にエア・リキードから米国ガス事業を買収したことで生産施設の規模が拡大し、化学や鉄鋼メーカーからオンサイトサプライヤーとして選定されるに至った。
大陽日酸は現時点で4カ所で大規模なオンサイト事業に取り掛かっており、更なるオンサイトサプライヤー契約が期待される。オンサイト売上高がある程度まで増加すれば、米国事業の収益性改善が見込まれるという。
産業ガス事業では、自社プラントと顧客の生産ラインをパイプで結んでガスを継続的に供給する契約を一度締結すると、他社に顧客を奪われにくくなり業績が安定する傾向が高い。
大陽日酸は産業ガスの国内最大手で世界シェアは4位。20年3月期連結純利益は前期比38%増の570億円になる見通し。
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