オンコリスが急伸、食道がん放射線併用療法の治験を米で実施へ
・株価、一時14%高
・第1相医師主導治験を実施
10日の株式市場でマザーズに上場する創薬ベンチャーのオンコリスバイオファーマ<4588>が急伸。連日で年初来高値を更新した。開発中の腫瘍溶解性ウイルス製剤「テロメライシン」の第1相医師主導治験を米国で実施する契約を米がん研究グループのNRGオンコロジーと締結したことが材料視された。
終値は前日比156円(7.26%)高の2304円。株価は3日続伸した。
午後2時半に同治験に関するリリースを発表すると株価は急伸し、一時14.06%高の2450円まで買われた。これは2019年5月以来約1年ぶりの高値となる。
オンコリスが結んだ契約は食道がん、または胃食道接合部がん患者に対するテロメライシンを用いた治験の実施。
オンコリスは3日、米国食品医薬品局(FDA)からテロメライシンの食道がんに対する「オーファンドラッグ(希少疾患治療薬)指定」の通知の受領を発表しており、治験はこの指定の下で行われるという。
オーファンドラッグは、米国内の患者数が20万人以下の重篤な希少疾病の新薬開発を促進するために設けられている制度。指定を受けたことで、FDAのオーファン医薬品開発部門が、テロメライシンの開発方法について助言相談にあたる。
20年12月期の業績に治験が与える影響は、算定が困難なため非開示としている。
放射線併用療法
オンコリスは、テロメライシンと他の治療法との併用に関する研究開発を進めており、米国での治験もテロメライシンと放射線化学療法を併用する。
同社は今年3月、ライセンス先である中外製薬<4519>が、局所進行食道がん患者を対象とするテロメライシンと放射線併用療法による第2相臨床試験において第1例目への投与を開始したと発表した。この治験の目標症例数は37例という。
テロメライシンは厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されている。中外製薬が同制度のメリットを活かして承認申請を行った場合、テロメライシンが速やかに承認に至る可能性があるとオンコリスは指摘する。
厚労省の先駆け審査指定制度は、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる革新的な医薬品について優先的に審査をする制度。
オンコリスによると、テロメライシンは、がん細胞で特異的に増殖し、がん細胞を破壊することができるように遺伝子改変した5型のアデノウイルス。この型のアデノウイルスは⾵邪の症状を引き起こすもので⾃然界にも存在するという。
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