パウエルFRB(FED)の政策インパクト
パウエルFRB(FED)は、新たに2.3兆ドルの資金供給を決定しました。FEDの政策が与える外為市場へのインパクトとは?今日のドル円の展望は?マーケットレポートをご参照ください。
FEDの資金供給と米ドル安
注目されたOPECプラスの臨時会議で、主要産油国は日量1000万レベルの協調減産で合意した。しかし原油先物市場では、米国が減産に協力するかどうかについて不透明感が残ること、また1000万バレルの減産では供給過剰の状態から脱することが困難であるとの思惑により下落した。原油価格の低迷は、リスク回避要因として常に意識しておきたい。
昨日、OPECプラスの臨時会議以外で重要なイベントがあった。FEDによる新たな臨時措置-総額2.3兆ドルの資金供給の決定である。なぜこれが重要なイベントなのか?それは、昨年6月以降の米ドル相場の動向にある。昨年の夏以降、FEDは連続利下げに追い込まれたが、その間の外為市場は米ドル高で推移した。しかし、昨年9月に短期金融市場は一時的に混乱した。この要因が米ドル資金のひっ迫にあるとの観測から、同年10月にFEDは資金供給(月額600億ドルの供給)を開始した。その後、外為市場で発生したトレンドは米ドル安だった。昨年後半の米ドル相場が示す一連の動きは、金利ではなく資金量が米ドル相場のトレンド決定要因となっていることを示している。そして現在、FEDは新型コロナウイルスの問題が終息した後の経済情勢を見越し、矢継ぎ早に大量の資金供給を市場に投入することを決定した。昨年10月以降のトレンドと米ドルの資金量が各段に増加している現在の状況を考えるならば、今後注視すべきは米ドル安圧力の高まりである。事実、昨日の外為市場は主要通貨に対して米ドルは下落した。米ドル安圧力が高まる場合、円相場ではクロス円を中心とした円安が進行する一方、ドル円は米ドル安と円安の戦いとなろう。円安の前提は株高の維持、特に米株高の維持である。
ドルインデックス
売り圧力がぶつかり合うドル円
米株は現在、政策期待を背景に反発基調にある。来週以降も米株が現在の状況を維持するならば、円高圧力が高まる可能性は低い。ドル円は上述したとおり米ドル安対円安の戦いとなる展開を予想する。
本日は109.00を上限と想定し、それ以上の水準となるならば反落リスクを警戒したい。一方、下値は108円台の維持が焦点となろう。米ドル安圧力により108.00を下方ブレイクする場合、107.80レベルの攻防が次の焦点となろう。この水準は、今月3日のオセアニアタイムから欧州タイム序盤にかけて相場をサポートした経緯がある。尚、109.00にはオファーが観測されている。一方、108.20から108.00にかけては断続的にビッドの観測あり。
ドル円
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