ポンド円とドル円 目先の焦点とチャートポイントについて
ハント英財務相は減税案のほとんどを撤回することを明らかにした。英政府が市場の安定化を重視したことを受け、外為市場ではポンド買いの展開に。ポンド円は一時170円台へ到達する局面が見られた。一方、ドル円は149円台へ上昇した。ポンド円とドル円の焦点は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIGレポートをご覧ください。
減税案の撤回が好感されポンド相場が上昇
【サマリー】
・ハント英財務相がほとんどの減税案を撤回 英債利回りが低下
・減税案の撤回と英金利の低下でポンド相場が上昇 ポンド円は一時170円台へ急伸
・リスク選好相場を受け円安が加速 ドル円は149円台へ上昇
・ドル円の展望とチャートポイントについて
・減税案の撤回で英利回りが低下 外為市場ではポンド買いの展開に
17日の外為市場では英ポンドが上昇した。14日に更迭されたクワジ・クワーテング前英財務相の後任として就任したジェレミー・ハント氏はこの日、先月政府が打ち出した減税案のほとんどを撤回することを明らかにした。
今回の撤回は、市場が抱く財政懸念を和らげる狙いがある。その狙いどおり、英債市場では利回りがひとまず低下で反応した。
「財政懸念の後退→英利回りの低下」を受け、外為市場ではポンド買い優勢の展開となった。特にポンド円(GBPJPY)は米株高の影響もあり、レジスタンスポイントの168.00レベルをあっさり突破すると、170円台へ到達する局面が見られた(IGレートの高値170.099)。
ポンド円が反落しても168円台の維持に成功すれば(168円がレジスタンスからサポートへ転換すれば)、短期的にもう一段の上昇を想定する局面へシフトしている。
・くすぶるポンド売り要因
英政府が財政懸念を和らげること(=市場の安定化を重視したこと)は、短期的なポンド買い要因となり得るだろう。
しかし相次ぐ政策の撤回は、トラス政権の信用力低下につながるだろう。「長引く高インフレの状況→景気の後退リスク」という状況も解消されていない。
そして英国の外に目を向ければ、米連邦準備制度理事会(FRB)による連続の大幅利上げの可能性が高まっている。
政治、経済そして金融政策の面でポンドドル(GBPUSD)の下落リスクがくすぶり続けている。
ポンドドルが再び下落する場合、ポンドドルとの相関関係が徐々に高まっているポンド円(GBPJPY)の上値を抑制する要因となろう。
ポンド円が168円を下方ブレイクする場合は、今年の6月以降、相場をサポートする局面が何度か見られた160.00レベルの維持に成功するかどうか?この点に注目したい。
ポンドドルで下落リスクがくすぶり続ける以上、ポンド円が160円台を維持できるかどうか?は、ドル円(USDJPY)の動向次第-現在の上昇トレンドを維持できるかどうか?にかかっている。
英金利とポンド円のチャート
ドル円は149円台へ上昇
・ドル円はとにかく上昇するトレンドに
17日の米債市場では、利回りの上昇が一服した。外為市場は米ドル売り優勢の展開となった。
しかし、ドル円(USDJPY)は米ドル売りの圧力を跳ね除け上昇トレンドを維持し、18日の朝5時前に149円台へと上昇した(IGレートの高値149.09)。
「米金利の低下→米株高」による円安の圧力が「米金利の低下→米ドル売り」の圧力を上回った事実を考えるならば、今のドル円はとにかく上昇するトレンドにある。
トレンドフォローを軸に考えるならば、目先のドル円の注目ポイントは、IGレポートで取り上げている149.53レベル(エクステンション100.0%)のトライおよびブレイクである。節目の150.00トライのシグナルとして、この水準(149.53レベル)の攻防となるかどうか?に注目したい。
ドル円のチャート
・反落局面での焦点は?
ドル円(USDJPY)の上昇幅が拡大していることで、反落局面でのサポートポイントの水準も切り上がっている。
今月13日以降の高安水準にフィボナッチ・リトレースメントを当てはめると、23.6%の水準148.46レベルと38.2%の水準148.08レベルがサポートポイントの候補として浮上する。これら水準は、レジスタンスからサポートへの転換が確認されている。
10月6日以降、サポートラインとして意識されている5日線(MA/EMA)は今日現在、148.20手前で推移している。
ドル円が反落しても、上で述べたチャートポイントで反転する場合は、149.53レベル(エクステンション100.0%)および節目の150.00を視野に上昇トレンドの維持を想定しておきたい。
ドル円のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。