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RBAイベントと豪ドル相場の展望 / 豪ドル円とドル円のチャートポイント

今日の東京時間は豪準備銀行(RBA)イベントと豪ドル円の動きに注目したい。RBAイベントで豪ドル買いの展開が見られても、中長期での豪ドル相場のトレンドは資源価格の動きに影響されるだろう。ドル円の焦点は136円台への上昇。注目のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

RBAイベントと豪ドル相場の展望


【サマリー】
・東京時間の注目材料は豪準備銀行(RBA)のイベント
・RBAイベントで豪ドル買いとなっても一過性の動きで終わると予想
・豪ドル相場と国際商品市場のトレンドについて
・豪ドル円のチャートポイント
・ドル円のチャートポイント



・RBAは連続で大幅利上げを決定か

本日、東京時間の注目イベントは、豪準備銀行(RBA)のイベントである。

現行の政策金利は前回の大幅利上げを受けて0.85%となっている。そして今回の会合でも0.5ポイントの利上げ予想となっている(政策金利は1.35%へ引き上げ予想)。
先月26日にチャルマース豪財務相はインフレ率について、年内に7%へ到達する可能性について言及した。ロウRBA総裁も先月21日に同様の見通しを示している。一方で、オーストラリア(豪州)の失業率は3.9%まで低下しており、労働市場は堅調さを保っている。これらの状況を考えるならば、RBAは今回の会合でも大幅利上げを決定すると同時に金融引き締め継続のスタンスを表明すると思われる。

豪州のインフレ率(前年比)と失業率の推移

豪州のインフレ率(前年比)と失業率の推移 ブルームバーグのデータより作成


・豪ドル相場の展望

RBAが予想通り大幅利上げを決定すると同時に、インフレリスクとそれを抑制するために金融引き締めスタンスの継続を表明する場合、短期的には豪ドル相場の上昇要因となろう。現在の米債券市場では、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げよりも景気後退懸念の方が強く意識され、利回りに低下の圧力が高まっている。この状況も豪ドル相場にとってはサポート要因となり得る。

しかし、前回の会合(6月7日)に大幅利上げを決定した後の、豪ドル相場(対米ドル)の動きを確認すると、下落トレンドを形成していることがわかる。この主因は、国際商品市場(コモディティ)の下落にあると筆者は考えている。

国際商品市場のトレンドを示すCRB指数と豪ドル/米ドル(AUDUSD)の動きを重ねてみると、トレンドが一致している。また米国の株式市場では、これまで「セーフヘイブン」の位置付けだったコモディティ関連株の下落が目立つ。そして今年、商品から流出した総額は約1250億ドルに達したとの見方もある(WSJ)。

ロシアーウクライナ紛争の長期化により資源の供給懸念は根強い。しかし、世界的な金融引き締めの影響により景気の後退懸念が高まっている現在の状況を考えるならば、これまでのように資源価格が上昇一辺倒のトレンドを描く可能性は低いだろう。

また、FRBが現在の利上げペースを継続する限り、もうしばらく米ドルを買う動きが続くことも予想される(インフレ次第でFRBは9月に利上げペースを緩める可能性あり)。

よって、豪ドル相場はRBAイベントで上昇しても、その動きは一過性で終わると予想する。

豪ドル米ドルとCRB指数の推移

豪ドル米ドルとCRB指数の推移 TradingView 日足(今年5月以降)

豪ドル円のチャートポイント

・2つの21日線と短期レジスタンスラインの攻防

対米ドルでの動きとは対照的に、豪ドル円(AUDJPY)の下落幅は今のところ限定的となっている。この要因はドル円(USDJPY)の上昇トレンドにある。そのドル円は、135.00を下抜けるとすかさず買戻しが入るトレンドにある。ドル円が底堅さを維持している状況の中、今日のRBAイベントで豪ドル買いの圧力が高まる場合は、以下で述べるテクニカルポイントでの攻防に注目したい。

豪ドル円の上昇局面で注目したいテクニカル指標は、2つの21日移動平均線と短期レジスタンスラインである。

21日EMAは今日現在、93.47前後で推移している。直近ではサポートラインとして意識された経緯があるだけに、レジスタンスラインへ転換する場合は、豪ドル円の地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

一方、先月24日から30日にかけて相場の上昇を止めた経緯のある21日SMAは今日現在、94.00レベルで推移している。現在、この移動平均線は短期レジスタンスラインと並行しており、EMA以上に相場の上昇を止める可能性がある。

豪ドル円が短期レジスタンスラインの突破にも成功する場合は94.30レベル、94.55レベルそして6月28日の高値94.71レベルの攻防に注目したい。6月以降、いずれも相場の戻りを止めたチャートポイントである。



・リトレースメント61.8%の維持

一方、豪ドル円(AUDJPY)が下落する局面では、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。特に61.8%の水準90.96レベルは、5月下旬にレジスタンスポイントとして意識された経緯がある。そして5月30日にサポートポイントへ転換している。半値戻し(92.10レベル)をローソク足の実体ベースで下方ブレイクする場合は、61.8%戻しの水準まで下落する展開を想定しておきたい。

豪ドル円のチャート

豪ドル円のチャート TradingView 日足(今年4月以降)

ドル円のチャートポイント

・21日SMAと23.6%戻し

豪ドル円(AUDJPY)をサポートしているドル円(USDJPY)は現在、135.00を下方ブレイクすると買戻しが入るトレンドが続いている。昨日は21日移動平均線(SMA /今日現在134.98レベル)で相場がサポートされた。

現在、米国の債券市場ではFRBの利上げよりも将来の景気後退の方が強く意識されている。この動きはドル円の下落要因である。しかし、今はそれ(米国債利回りの低下→米ドル売り)以上に円売りの圧力が根強いことが昨日の動きで確認できた。

よってドル円の下落局面では、引き続き21日SMAまたはフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準134.50レベルでの買戻しを想定しておきたい。



・136円台のレジスタンスポイント

一方、ドル円(USDJPY)が上値トライとなる場合は、136.00の突破が目先の焦点となろう。この水準は、今月1日のレジタンスポイントでもある(高値135.98レベル)。

ドル円が136円台の攻防へシフトする場合は、136.70レベルのトライ&ブレイクとなるか?この点に注目したい。
この水準の突破にも成功すれば、再び137.00をトライする展開を予想する。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingView 日足(今年5月以降)

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