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市場の思惑を左右する米国の経済指標 / ドル円と豪ドル米ドルの注目ポイント

市場が抱くインフレの低下と米利上げペース減速の期待は米国の経済指標、特にPCEデフレーターと雇用統計で揺れ動くことが予想される。ドル円は新たなサポートポイントを見極める局面にある。豪ドル相場は中国リスクが重石となる可能性あり。それぞれの展望とチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

市場の思惑を左右する米国の経済指標


【サマリー】
・市場の思惑を左右する米国の経済指標
・今週の米ドル相場はPCEデフレーターと雇用統計で上下に振れる可能性あり
・ドル円は新たなサポートポイントを見極める局面にある
・豪ドル/米ドルは中国リスクによる反落を警戒


市場の思惑を左右する米国の経済指標

連邦公開市場委員会(FOMC)をはじめとした11月の重要イベントを受け、米金利には低下の圧力が強まっている。それに伴い外為市場では、米ドル相場(ドルインデックス)が下落トレンドへ転じている。そして米国の株式市場では主要な株価指数が軒並み上昇している。

これら動きの根底にあるのは、インフレリスクの後退と米利上げペースの減速に対して市場参加者が抱く思惑である。

各市場の動向

各市場の動向 月初来の騰落率 / 基準日:2022年10月31日


注目の米経済指標:10月PCE(個人消費支出)デフレーター
市場の思惑を左右する要因として今週注目すべきは、米国の経済指標である。

特に注目されるのが10月PCE(個人消費支出)デフレーターと11月雇用統計となろう。

PCEデフレーターは、連邦準備制度理事会(FRB)が注視するインフレ指標である。同じインフレ指標の消費者物価指数(CPI)は、インフレのピークアウトを示している。PCEデフレーターでも同じ状況が確認される場合、インフレリスクの後退と米利上げペースの減速、そしてその先にある利上げの停止が意識されるだろう。このケースでは米金利に低下の圧力が強まり、米金利の低下は株高要因となろう。

米金利の低下と株高が同時に発生する局面では、米ドル相場が最も下落しやすい。特にリスク資産と高い相関関係にあるオセアニア通貨(豪ドル/NZドル)や南アランドで米ドル売りが進行する展開が予想される。

一方、PCEデフレーターでインフレリスクの警戒感が再び高まる場合は真逆の展開-「米金利の反発→米国株の下落」による米ドル買い(ショートカバー)の展開が予想される。

PCEデフレーターの推移

PCEデフレーターの推移 データとチャート:米商務省、Bloomberg L.P. 月次(2020年以降)


注目の米経済指標:11月雇用統計
PCEデフレーターと同じく、12月2日の11月雇用統計も各市場参加者が注目する経済指標である。

インフレがテーマである以上、引き続き賃金(平均時給)の伸びに注目したい。賃金の低下基調が確認される場合は、「米金利の低下→米国株の上昇」要因となろう。
非農業部門雇用者数変化と失業率で雇用市場の落ち込みも確認される場合は、米金利の低下幅が拡大する展開が予想される。このケースでの外為市場は、米ドル安を想定しておきたい。

一方、賃金の伸びが予想外に上昇する場合は、「米金利の上昇→米国株の下落」が予想される。米国市場がこの展開となれば、外為市場では米ドルを買い戻す(ショートカバーの)展開となろう。

また、非農業部門雇用者数変化と失業率が雇用市場の堅調さを示す場合は、「米金利の反発→米国株の下落」が進行することで、米ドル相場の上昇幅の拡大が予想される。

賃金(平均時給)と非農業部門雇用者数変化の推移

賃金(平均時給)と非農業部門雇用者数変化の推移 データとチャート:米労働省、Bloomberg L.P. 月次(2021年以降)

ドル円の展望とチャートポイント

今週の米債市場は、上で述べた米経済指標で上下に振れる展開が予想される。よって、ドル円(USDJPY)も米経済指標の発表後にチャートポイントをトライする展開が予想される。

米金利が低下基調にあることを考えるならば、ドル円の焦点は新たなサポートポイントを見極めることにある。

その候補として目先注目したいのが、今月15日の安値137.66レベルである。米経済指標が総じて予想以下となる場合は137.66レベルのトライおよびブレイク、そして次のサポートポイントの候補であるフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準135.48レベルを視野に下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。

一方、上で述べた米経済指標が総じて強い内容(インフレリスクの根強さを意識させる内容)となれば、「米金利の反発→ドル円の反発」を予想する。このケースでは、140.00のすぐ下で推移している10日線(MA)のブレイクが目先の焦点となろう。

ドル円が10日MAの突破に成功する場合、モメンタムはゼロラインを突破することが予想される。モメンタムのゼロライン突破は買いシグナルの一つである。ゆえにドル円が10日MAブレイクとなれば、21日線(EMA)を視野に上昇幅が拡大する可能性が高まろう。

なお、21日EMAは現在、142.00のすぐ下で推移している。直近のドル円の動きも考えるならば、142.00前後は、新たなレジスタンスポイントとなる可能性がある。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:Trading View 日足(今年8月以降)

豪ドル/米ドルの展望とチャートポイント

中国では新型コロナの感染対策に対する抗議活動が広がっている。行動規制により中国経済の先行きリスクが意識されているタイミングでの社会不安は、株式市場と外為市場の参加者に中国リスクを意識させる可能性がある。

中国の経済情勢およびリスク資産(株式)と高い相関関係にある通貨ペアが、豪ドル/米ドル(AUDUSD)である。日足チャートで直近の動きを確認すると、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準0.6767レベルがレジスタンスポイントとして意識されている(ローソク足の実体ベース)。上ヒゲ示現の状況も考えるならば、0.6767~0.68のレジスタンスゾーンが意識されていると考えることもできる。

この状況で、今週の米経済指標が総じて予想以上となれば、豪ドル/米ドルは変則的ながらもダブルトップ形成のムードが高まるだろう(下で述べるネックラインのブレイクが条件)。

豪ドル/米ドルが反落ムードをさらに強める場合、目先の焦点は10日線(EMA)の攻防である。

豪ドル/米ドルがこの移動平均線を難なく下方ブレイクする場合は、ネックラインの0.66レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。11月以降、この水準(0.66レベル)で相場がサポートされる局面が見られた。

なお、0.66レベルには21日線(MA)が上昇しつつある。テクニカルの観点からも0.66レベルは目先の重要サポートポイントとなろう。

一方、今週の米経済指標が総じて予想以下となる(インフレ懸念がさらに後退する)場合、豪ドル/米ドルは上で述べたレジスタンスゾーンを突破する展開が予想される。このケースでは、9月の戻り高値0.6916レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

豪ドル/米ドルのチャート

豪ドル/米ドルのチャート チャート:Trading View 日足(今年8月以降)

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