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【豪ドル円の見通し】米欧中銀と一線画す豪中銀、年内利下げ観測後退、高金利通貨としての魅力増す豪ドル

米欧中銀の利下げと株高の恩恵を受け豪ドルが強気相場にある。今日はオーストラリア準備銀行(RBA)が金融政策会合を開く。利下げ政策へ転じる米欧の主要中銀とは対照的に、政策金利の据え置きが予想されている。豪ドル円の見通しは?注目のチャート水準は?

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記事のポイント

・株高に支えられ、豪ドルが対主要通貨で強気相場にある
・米欧中銀の利下げ転換も豪ドルのサポート要因に
・オーストラリア準備銀行(RBA)の年内利下げ観測が後退している
・豪ドル円、目先の焦点は新たな高値水準の見極めにある


株式市場と豪ドルの関係

豪ドルが対米ドル(AUD/USD)で強気相場にある。その要因のひとつが、世界的な株高(リスク資産の買い)にある。

7月以降、世界の株式市場は上下に大きく振れるジェットコースター相場に陥った。7月から9月23日までのMSCI ACWI Index(オール・カントリー・ワールド・インデックス)と豪ドル/米ドルのトレンドを見ると、株安の局面では豪ドルが下落し、株高の局面では豪ドルが上昇するという強い「正の相関関係」が見られる。

豪ドル/米ドルとMSCI ACWI Indexのチャート:日足 2024年7月以降

豪ドル/米ドルとMSCI ACWI Indexのチャート:日足 2024年7月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

また、米国株をはじめとした世界の主要な株価指数が底を打った8月5日以降の豪ドル相場のパフォーマンスを確認すると、米ドルを含めた主要な通貨で豪ドル高優勢にある。

特にリスク回避の局面で買われる特性のある米ドル、日本円そしてスイスフランで豪ドル高が進行している状況は、豪ドルと株式市場(リスク資産)の相関性の高さを物語っている。

豪ドル相場の騰落率:8月6日~9月23日

豪ドル相場の騰落率:8月6日~9月23日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

米欧の主要中銀は緩和サイクルへ突入

23日のIG米国株レポート「米株高維持の鍵は中小型株に、経済指標でソフトランディング期待が高まるか?S&P500の見通し」で指摘したとおり、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月17~18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、通常の倍となる50ベーシスポイント(0.5%)の利下げを決定した。

大幅利下げの決定についてパウエルFRB議長は、米国経済のソフトランディング(軟着陸)を確実にするための対応と述べた。

短期金融市場では、パウエルFRBが今年の12月末までに政策金利を4.1%台まで引き下げる能性を織り込み始めている。9月のドットプロット(FOMCの参加者が予想するFF金利の予想)では、今年12月末の政策金利が4.4%(中央値)となる見通しが示された。米金融政策に関する市場の思惑は、FOMC参加者のそれよりもかなり緩和の方向へ傾いていることが分かる。

また、欧州中央銀行(ECB)は9月の理事会で追加の利下げに踏み切った。そして年内にあと1回の利下げが織り込まれている。イングランド銀行(英中銀)は9月の金融政策委員会(MPC)で利下げを見送ったが、次回11月のMPCで追加の利下げに踏み切ることが予想されている。その他、カナダ中銀やスイス中銀などの主要中銀は軒並み緩和サイクルへ転じている。

米欧の主要中銀がそろって緩和サイクルへ突入している状況は、株式市場の下支え要因である(景気リスクが高まらない限り)。よって、株式市場との相関性が高い豪ドル相場の押し上げ要因にもなる。

RBAの年内利下げ観測が後退

豪準備銀行(RBA)は24日に金融政策会合を開く。政策金利は現行の4.35%に据え置かれる公算が大きい。ゆえに焦点は、RBAが考えるインフレの見通しにあろう。豪州の7月消費者物価指数は前年比で3.5%と、2022年12月の8.4%をピークに鈍化の傾向を辿っている。また、トリム平均のインフレ率も同比3.8%と、今年2月以来となる4.0%を下回る状況にある。しかし、インフレ率は目標である2~3%を依然として上回っている。

移民の流入とそれに伴う住宅需要の拡大を受け住宅価格と家賃は高止まりしており、インフレ再燃の可能性がくすぶる状況にある。

豪州 消費者物価指数(CPI):22年以降

豪州 消費者物価指数(CPI):22年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

短期金融市場では、RBAが年内に利下げに踏み切るならば12月と見ている。しかしその確率は現時点で40%台であり、前回8月の会合後の50%台から低下している。本日の会合でRBAがインフレ抑制重視のタカ派姿勢を維持する場合、利下げ開始は来年に持ち越されるとの思惑が高まるだろう。

世界の主要中銀が利下げ政策へ転じるなかでRBAが政策金利を高水準で維持する公算が高まれば、高金利通貨としての豪ドルに対する投資妙味が増すことになる。上で述べた「主要中銀の利下げ→株高」の恩恵も考えるならば、豪ドルは強気相場を維持することが予想される。

特に下で述べる対日本円では、新たな高値水準の見極めが焦点となろう。


豪ドル円の見通し、半値戻しの攻防に注目

豪ドルは対米ドル(AUD/USD)で、昨年12月下旬以来となる0.6850レベルを視野に強気相場にある。そしてドル円(USD/JPY)は、先週20日の植田日銀総裁の会見が円安要因となったことで、144円ミドルまで反発する局面が見られている。

豪ドル高と円安に支えられ豪ドル円(AUD/JPY)は現在、50日線の攻防にある(98.03レベル、下の日足チャート 青ラインを参照)。日足のMACDはゴールデンクロスへ転じ、強気相場の勢いを強める可能性を示唆している。RSIは買われ過ぎの水準までまだ余裕がある。

豪ドル円のチャート:日足 2024年7月以降

豪ドル円のチャート:日足 2024年7月以降

出所:TradingView

この状況で今日の豪中銀イベントが豪ドル買いの要因となれば、豪ドル円は50日線を完全に突破し、8月の上昇相場を止めた半値戻しの水準99.76レベルのトライを想定しておきたい。「レジスタンス転換」の可能性があるこのテクニカルラインをもブレイクアウトすれば、次の焦点は節目の100円のトライとなろう。

23日のIG為替レポート「ドル円の週間展望 植田会見で円安再び、147円のトライか?「米ドル安vs円安」か?米経済指標にらみ」で指摘したとおり、今週のドル円は米経済指標の内容次第で147円台まで上昇する可能性がある。

ドル円が上昇基調を維持し、かつ豪ドル/米ドル(AUD/USD)が昨年6月と7月にレジスタンスの水準として意識された0.69レベルを視野に上昇する場合、豪ドル円は102円を視野に上昇幅が拡大しよう。テクニカルの面で102.00レベルは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準(102.03レベル)にあたる(上の日足チャートを参照)。

豪ドル円、下落局面での注目ポイントは?

さえない米経済指標が続けば、ドル円(USD/JPY)は再び下値をトライすることが予想される。

昨日の9月米購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.4と、8月の54.6から縮小した。サービス部門は55.7から55.4に、製造業は47.9から47.0にそれぞれ縮小した。発表直後のドル円は上昇した。しかし長くは続かず、143円前半まで下落する局面が見られた。

豪ドル円の下落局面では、先週20日にサポートラインとして意識された21日線の維持が焦点となろう(96.76レベル、上の日足チャート 緑ラインを参照)。下の4時間足にプロットしたフィボナッチ・エクステンション23.6%水準97.23の下方ブレイクは、21日線をトライするサインと捉えたい。

豪ドル円が21日線を下方ブレイクする場合は、「サポート転換」の可能性がある95.70レベルまで調整相場が進行する可能性が出てくる(下の4時間足チャート、黒矢印を参照)。フィボナッチ・エクステンション38.2%の水準96.31の下方ブレイクは、95.70トライのシグナルとなろう。

4時間足のRSIはデッドクロスへ転じている。MACDも同じ状況にある。ドル円の下落局面では、21日線を視野に豪ドル円が下落する展開を想定しておきたい。

豪ドル円のチャート:4時間足 9月以降

豪ドル円のチャート:4時間足 9月以降

出所:TradingView


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