経済指標にらみの米債市場とドル円の注目ポイント / ユーロドルの焦点とチャートポイント
米債市場は経済指標にらみの状況が続き、ドル円は米金利にらみの展開が続いている。米ドル売りがドル円の上値を抑制する要因となっている。ユーロドルは短期的な調整の反発相場に。目先のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
経済指標にらみの米債市場とドル円の注目ポイント
【サマリー】
・米債市場は経済指標をにらみの展開
・米ドル売りで上値の重いドル円 目先のチャートポイントについて
・ユーロドルは短期的な反発地合いのトレンドに
・ユーロドルのチャートポイントについて
・経済指標にらみの米債市場
4月の米小売売上高は前月比で0.9%増と市場予想と一致したが、変動の大きい自動車・同部品を除くと、同比で0.6%増と市場予想(0.4%増)以上となった。
アメリカ経済のエンジン役である個人消費の堅調さが確認されたことで、17日の主要な米株価指数は大幅上昇の展開となった。米債市場では長期金利(10年債利回り)をはじめとした各年限の利回りが上昇した。
予想以下となった5月NY連銀製造業景気指数を受け米金利が低下し、昨日の4月小売売上高で米金利が上昇した状況を考えるならば、今後も経済指標の内容が米金利のトレンドに影響を与える展開を想定しておきたい。
今日は4月の米住宅関連指標がある。個人消費の動向を考える上で、小売売上高と同じく重要な指標である。総じて予想以上となる場合は、米金利の上昇を想定しておきたい。米金利の動きに左右されやすいドル円(USDJPY)は、昨日の高値129.77レベルのトライとなるか注目したい。
米長期金利のチャート
・ドル円の焦点とチャートポイント
ドル円(USDJPY)は129円台での攻防が続いている。通貨オプション市場のリスクリバーサル(1週間)を確認すると、ドル・プットの流れがひとまず止まっている。上で述べた米住宅関連指標が良好な内容となれば、米金利の上昇基調が続くことでドル円の堅調地合いが予想される。
気になるのは、昨日の米国市場が典型的なリスク選好相場(株高/金利上昇)となっても、130円をトライすることができなかったことである。
この要因として「リスク選好相場→投資家心理の改善→米ドル売り」が挙げられる。先週12日に米国株が反発相場へ転じて以降、米ドルは下落幅が拡大していた欧州通貨やリスク性の高い資源国通貨に対して下落するトレンドへ転じている。この状況を考えるならば、ドル円が上昇しても昨日の高値129.77レベル、もしくは今月12日の高値130.05前後でドル円の上昇が止められる可能性を意識しておきたい。一方、ドル円が130円台にしっかりと乗せてくる場合は、米金利の上昇幅が拡大していることが予想される。
ドル円が反落する場合は、昨日安値128.81、16日安値128.68、13日安値128.23の各水準での攻防に注目したい。いずれかの水準で再び相場が反発する場合は、128円台の重要サポートポイントとして意識される可能性が高まろう。
ドル円のチャート
ユーロドルは利上げ期待で反発 目先のチャートポイントは?
・利上げ期待とユーロドルの短期的な展望
17日のユーロドル(EURUSD)は、1.05ミドルの水準まで反発した(高値1.0555)。日足ローソク足では大陽線が示現した。
昨日のユーロ買いは、欧州中央銀行(ECB)の利上げ期待が材料視されたとの指摘がある。短期金融市場では、今年末までに中銀預金金利が現行のマイナス0.5%からプラス0.5%台へ引き上げられる可能性を織り込み始めている。最初の利上げは7月という観測があるが、6月利上げの確率は68%台まで上昇している。ECBがどのタイミングで利上げを決断するにせよ、高インフレに対してECBが動かざるを得ない状況にあることを市場は強く意識している。
注目すべきは、ECBの利上げスタンスが持続的なユーロ買い要因となるか?である。中銀の利上げはその国(地域)の通貨の短期的な上昇要因である。しかし、現在の欧州通貨はロシア-ウクライナ情勢を受け、金融政策よりも経済の先行きリスクが意識されやすい状況にある。この点は、昨日のポンド相場が堅調な雇用関連指標の内容を確認した後に上昇したことでもうかがえる。経済の先行きがテーマである以上、直近のユーロドルの反発は、短期間で下落幅が拡大した調整の動きと捉えておきたい。
・目先のチャートポイント
ユーロドル(EURUSD)が反発トレンドを維持する場合は、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。目先は、38.2%の水準1.0573レベルのトライ&ブレイクが焦点となろう。4月の下旬以降、この水準で戻りが止められる状況が見られる。さらに今日は、21日線(SMA)が38.2%戻しのレベルで推移している。
ユーロドルの反発トレンドが加速することでテクニカル指標が重なる1.0570台の突破に成功する場合、次の焦点は短期レジスタンスライン(1.0623レベル)のトライ&ブレイクとなろう。このラインをも突破する場合は、4月高値と5月安値の半値戻し(50.0%)の水準1.0642レベルのトライとなるか?この点に注目したい。この水準は、先月の27日と今月の5日にレジスタンスポイントとして意識された経緯がある。
一方、上で述べた各テクニカル指標の水準でユーロドルの反発が止められる場合は、明日以降1.04台へ反落する展開を想定しておきたい。このケースでは、昨日安値1.0427レベルのトライが目先の焦点となろう。
ユーロドルのチャート
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