アップル、iPhone販売の行方は? 5月4日決算発表 スマホ市場の不調懸念
アップルが5月4日に発表する2023年1-3月期決算はiPhoneの販売が焦点。世界的なスマホ市場の不調は経営環境の厳しさを予感させる。
アップルが5月4日に発表する2023年1-3月期決算はiPhoneの販売の動向が焦点だ。アップルの総収入は2022年10-12月期、3年9か月ぶりの前年同期比割れに陥った。増収を取り戻すためには総収入の半分以上を占めるiPhoneのふんばりが不可欠だ。ただ、世界的な物価上昇や経済の先行き不透明感を受けて、スマートフォン市場全体の出荷台数は1-3月期も減少したもよう。音楽配信などのサービス収入の伸びも収益全体を支えるには力不足で、アップルにとっては厳しい経営環境が続く可能性がある。
アップルの2023年1-3月期決算は減収の予想
アップルは日本時間の5月5日午前6時に決算会見を開く。金融情報会社リフィニティブのデータによると、アップルの1-3月期決算に関する市場予想は総収入が前年同期比4.4%減の約930億ドル、1株当たり利益は5.7%減の1.43ドルと見込まれている。アップルは過去3年間12回の四半期決算のうち、2回で総収入が事前の市場予想を下回った。1株当たり利益では1回、市場予想をクリアできなかった。
アップルの株価(チャート)の動きを2021年末を基準としてみると、下落率は最も大きくなった時期でも約3割。7割超の下落に見舞われたメタ・プラットフォームズ(チャート)や、5割の値下がりがあったアマゾン・コム(チャート)と比べると堅調だったといえる。株価は現在163ドル程度で推移している。
リフィニティブによると、直近の株価と予想年間収益から算出される株価収益率(PER)は27.7倍。スマートフォン市場でライバルにあたるサムスン電子の41.1倍と比べれば割安といえる。マイクロソフト(チャート)の30.7倍との比較では、やや割安といった水準だ。アナリストが提示する目標株価の平均は170.89ドル。42人のうち10人が強い買い、24人が買いを推奨している。7人は維持、1人は売りを勧めている。
2023年1-3月期のスマホ市場は縮小か
アップルの総収入は2022年10-12月期は前年同期比5.5%減だった。新型コロナウイルス禍で中国の生産体制が混乱したことでiPhoneの上位機種の出荷が滞ったことが要因のひとつで、総収入の前年割れは2019年1-3月期以来だった。実際、iPhoneの販売額は8.2%減となり、2年3か月ぶりのマイナスに沈む不振。パソコンの販売額減少とあいまって、総収入の足を引っ張った。
中国はすでにゼロコロナ政策を解除しており、1-3月の経済活動は復活しつつある。ただしアップルにとっては世界的な経済活動の混乱が逆風になっている。民間調査会社のIDCが27日に発表した1-3月期の世界スマートフォン出荷台数の速報値は、前年同期比14.6%減。出荷台数の縮小は7四半期連続で、物価上昇や世界経済の不透明感が影響しているという。IDCは「今後の3-6か月は厳しい状況が続く」とみている。
一方、アップルには2022年10-12月期に音楽配信やアプリ関連の収益が好調だった結果、サービス事業の収入が前年同期比でのプラスを維持するなど、事業の多様化の効果がみられる面もある。ただしサービス事業の収入は総収入の2割程度で、iPhoneの復活がなければアップルの業績安定が見込めないともいえそうだ。
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