アップル、復調の見通し示せるか 5月2日決算 株価は下落基調続く
アップルの1-3月決算発表は4-6月期の見通しが焦点。スマホ市場の競争激化が続く中、力強い方向性を示せるかがカギだ。
アップルが5月2日の取引時間終了後に行う2024年1-3月期決算発表では、4-6月期の見通しに注目が集まりそうだ。アップルの1-3月期は主力製品であるiPhoneの販売が前年の勢いを保てず、減収は避けられないもよう。アップルが4-6月期の見通しについて前向きな方向性を示せなければ、株価下落に拍車がかかるおそれがある。スマートフォン市場は回復基調にある一方、ライバルとの競争は激しさを増しており、アップルの地力が問われる局面が続いている。
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アップルの1-3月期決算は減収の見通し
アップルはアメリカ東部時間の2日午後5時(日本時間3日午前6時)に決算会見を開く。LSEGのデータによると、アップルの1-3月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比5.1%減の900.41億ドル、1株当たり利益(EPS)は1.3%増の1.54ドルになる見通しだ。アップルは過去17回の四半期決算のうち、2回で総収入が市場予想を超えられなかった。また1株当たり利益では1回、市場予想をクリアできなかった。
アップルの株価(AAPL)は2022年の1年間で26.83%下落した後、2023年は48.18%上昇した。24日の終値は169.02ドルで、2023年末比で12.21%下落している。マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7銘柄の中では、電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)に次ぐ悪い成績だ。S&P500は2023年末比で6.33%高となる中、不振ぶりが目立っている。
LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は24.25倍。株価下落の影響もあって、前回の決算発表前にあたる1月下旬の水準(約29倍)から割高感は薄れている。同じ大手ハイテク株同士での比較では、マイクロソフト(MSFT)の31.22倍よりは割安で、アルファベット(GOOGL)の22.06倍よりは割高といえる水準だ。アナリストが提示する目標株価の水準は199.15ドルで、現状よりも18%ほど高い。42人のアナリストのうち9人は強い買い、17人は買いを推奨。14人は維持、2人は売りを推奨している。
iPhoneの販売台数は減少見込み スマホ市場の競争は激化
アップルは前回の10-12月期決算発表に際し、1-3月期の総収入が前年同期よりも50億ドル程度少なくなるとの見通しを提示。1年前の2023年1-3月の販売が、直前に起きた生産体制混乱の反動で上積みされていたためだと説明した。こうした中、LSEGがまとめた事前予想では、iPhoneの1-3月期の販売額は前年同期比10.4%減が見込まれている。また、民間調査会社のIDCが15日に発表した1-3月期の世界のスマートフォン出荷台数の速報値でも、アップルのシェアは17.3%まで下がっており、20.8%のシェアを獲得したサムスン電子に首位の座を奪い返されている。
ただ、2月以降の株価下落は1-3月期の不振を織り込む動きともいえ、2日の決算発表では4-6月期の見通しの重要性が高い。株価下落が進む中で、ルカ・マエストリCFOが前向きな方向性を示せば、投資家にとっては安心材料になるとみられる。LSEGのまとめでは、4-6月期の総収入は前年同期比1.8%増にあたる832.33億ドルが見込まれており、少なくとも増収復帰を確信させる内容である必要がありそうだ。
アップルは音楽配信などサービス事業の拡大にも力を入れているが、総収入の半分以上を稼ぎ出すiPhoneの存在感は依然として大きい。IDCによると、スマートフォン市場は「過去2年間の混乱から抜け出しつつある」一方、中国メーカーのシャオミの復調や、中国の深圳に拠点を持ち、アフリカなどの新興国市場に強いトランシオンの躍進といった市場環境の変化もみられるといい、今後の見通しをめぐっては、アップルがライバルとの競争を勝ち抜けるかどうかの重要性が増していきそうだ。
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