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アップル、増収復帰見通し 8月1日決算 アイフォン不振なら不安も

アップルの4-6月期決算は増収復帰の見通し。ただしアイフォンのマイナス成長が続くようでは投資家の不満を買う可能性もある。

アップル、増収復帰見通し 8月1日決算 アイフォン不振なら不安も 出所:ゲッティ

アップルが8月1日の取引時間終了後に発表する2024年4-6月期決算は増収に復帰する見通しだ。要因は主力製品のiPhone(アイフォン)の前年同期比での販売減少が大幅に改善すると見込まていること。ただし4-6月期決算が予想通りの結果だったとしても、アイフォンのマイナス成長が続くようでは、投資家の不安を高める可能性がある。生産や販売面での関係が深い中国経済の先行き不安などの懸念材料も消えてはおらず、1日の決算発表では、アップルが7-9月期の見通しについてどのような方向性を示すかにも注目が集まりそうだ。

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アップルの4-6月期決算は増収に復帰する見通し

アップルはアメリカ東部時間の1日午後5時(日本時間2日午前6時)から決算会見を開く。LSEGのデータによると、アップルの4-6月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比3.1%増の843.56億ドル、1株当たり利益(EPS)は6.3%増の1.34ドルになる見通しだ。アップルは過去18回の四半期決算のうち、2回で総収入が市場予想を超えられなかった。また1株当たり利益では1回、市場予想をクリアできなかった。

アップルの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

アップルの株価(AAPL)の24日の終値は218.54ドル。2023年末比では13.51%高で、マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の中ではテスラ(TSLA)に次ぐ悪い成績だ。ただし前回(1-3月期)の決算発表があった5月2日を起点として考えれば、上昇率は26.30%で、テスラとともに出遅れを取り戻してきた。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は30.33倍で、前回の決算発表前の24倍程度から割高感が増した。マイクロソフト(MSFT)の31.83倍とほぼ同水準で、アルファベット(GOOGL)の20.96倍よりは割高といえる水準だ。

アナリストが提示する目標株価の平均は223.64ドルで現状よりもやや高いが、7月に入ってからは270ドル台に引き上げる動きも目立つ。44人のアナリストのうち12人は強い買い、21人は買いを推奨。10人は維持、1人は売りを勧めている。

アイフォンの販売は大きく改善も伸び率はマイナス見通し

アップルは1-3月期の総収入が前年同期比4.3%減だったが、この不振には、比較対象となる2023年1-3月期のアイフォンの販売が、直前に起きた生産体制の混乱の反動で、押し上げられていたという事情があった。こうした特殊要因を除けば2024年1-3月期の総収入は1%程度の成長だったとみられる。4-6月期の総収入が予想通りに3%程度になった場合には、成長の加速が確認されることになりそうだ。

こうした総収入の成長はアイフォンの販売動向でも裏付けられる。LSEGによると、4-6月期のアイフォンの販売金額に関する市場予想は、前年同期比2.3%減で、1-3月期の10.5%減から大きく改善する見通しだ。

アイフォンの販売金額と前年同期比伸び率の推移のグラフ

とはいえ、主力製品であるアイフォンの販売が2四半期連続のマイナス成長では投資家から評価されない可能性がある。また、アップルが生産拠点を置き、販売でも大きな割合を占める中国では4-6月期の実質成長率が市場予想を下回っており、こうした経済の減速感がアップルの今後の成長に悪影響を及ぼす可能性もある。

アップルは販売拡大を狙い、マイクロソフトと連携して、アイフォンの人工知能(AI)性能を高めると発表するなど、スマートフォンの高機能化も進めている。毎年恒例の9月の新製品発表も控える中、アップルが1日の決算会見で7-9月期の見通しについて示す方向性も株価を動かす材料になりそうだ。


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