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アップル、アイフォン増収予想 31日決算 今四半期見通しにも期待

アップルの7-9月期決算は成長が加速する見通し。アイフォンも3四半期ぶりの増収になるとみられ、株価上昇のきっかけになる可能性がある。

アップル、アイフォン増収予想 31日決算 今四半期見通しにも期待 出所:ブルームバーグ

アップルが31日の取引時間終了後に発表する2024年7-9月期決算は総収入の成長が加速する見通しだ。主力製品のiPhone(アイフォン)が増収に復帰するとみられ、9月の16シリーズの発売が旧世代機種と合わせた販売増につながっていくと期待されている。アップルが決算会見で、クリスマス商戦を含む10-12月期について強気な見通しを示せば、株価に上昇圧力がかかることが考えられそうだ。

【関連記事】アップル、中華圏の成長に不安 株価下落 今四半期の見通しにも弱さ(2024年11月1日)

アップルの2024年7-9月期決算は総収入の伸びが加速する見通し

アップルはアメリカ東部時間31日午後5時(日本時間11月1日午前6時)に決算会見を開く。ブルームバーグによると、アップルの7-9月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比5.3%増の942.15億ドルになる見通し。1株当たり利益(EPS)は8.9%増の1.59ドルになるとみられている。予想通りになれば、総収入は4-6月期の4.9%増から加速。1株当たり利益は11.1%増からの減速となる。アップルは過去19回の四半期決算のうち、2回で総収入が市場予想を超えられなかった。1株当たり利益では1回、市場予想をクリアできなかった。

アップルの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

アップルの株価は2023年末比で19.86%高 4月以降の復調続く

アップルの株価(AAPL)の23日の終値は230.76ドル。2023年末比では19.86%高だ。3月末までの3か月間は11%下落という冴えない成績だったが、その後の7か月で35%近い上昇をみせている。前回の決算発表があった8月1日を起点として考えれば、5.68%高の水準だ。

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は30.92倍で、前回の決算発表直前の30.44倍とほぼ同じ水準。アナリストが提示する目標株価の平均は245.05ドルで、現状よりも6%ほど高い。10月中旬に入ってからは300ドルに引き上げる動きもある。60人のアナリストのうち39人が買い、19人は維持を推奨。2人は売りを勧めている。

アイフォンは3四半期ぶり増収予想 株価上昇に期待

アップルの7-9月期の総収入の伸びが加速するとみられる背景にはアイフォンの復調がある。ブルームバーグによると、7-9月期のアイフォンの販売額は前年同期比2.5%増の449.06億ドルになる見通し。実現すれば3四半期ぶりの増収復帰だ。民間調査会社のIDCが14日に発表した7-9月期の世界のスマートフォン出荷台数の速報値でも、アップルは前年同期比3.5%増だったとされている。IDCはアップルの出荷増について、9月の16シリーズの発売に加え、旧世代機種への強い需要も貢献しているとしている。

アイフォンの販売額と前年同期比伸び率の推移のグラフ

こうした中、31日の決算発表では7-9月期の実績と同時に、10-12月期の見通しにも注目が集まりそうだ。決算会見でルカ・マエストリCFOが総収入の伸びが加速していくとの見通しを示せば、株価上昇を後押しすることが考えられる。ブルームバーグによると、金融市場では10-12月期の総収入は前年同期比7.5%増にあたる約1285億ドルになると予想されている。

一方、アップルには生産と販売の両方で関わりが深い中国経済の先行き不透明感という不安材料もある。中国市場では現地メーカーとの競争が過熱しているという事情もあり、アップルの業績見通しが投資家の期待ほどには高まらない可能性も残されていそうだ。


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