アップル、減収回避なるか 2月1日決算発表 株価上昇期待薄れる
アップルの10-12月期決算はわずかな増収の見通し。iPhoneの販売動向などへの不安が投資家心理を暗くしている。
アップルが2月1日の取引時間終了後に発表する2023年10-12月期決算は総収入を伸ばせるかが焦点だ。アップルは7-9月期まで4四半期連続の減収に陥っており、株価上昇の勢いは鈍い。秋に投入したiPhone15シリーズの売り上げや中華圏の販売動向をめぐる不安要素が投資家心理を暗くしている。アップルは株価下落の結果、時価総額世界首位の座から陥落する場面も出ており、10-12月期決算が苦境脱却のきっかけになるかどうかが注目される。
アップルの10-12月期決算は0.7%の増収予想
アップルはアメリカ東部時間の1日午後5時(日本時間2日午前7時)に決算会見を開く。LSEGのデータによると、アップルの10-12月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比0.7%増の1179.28億ドル、1株当たり利益(EPS)が11.7%増の2.1ドルと見込まれている。アップルは過去15回の四半期決算のうち、総収入で2回、1株当たり利益で1回、市場予想を下回っている。
アップルの株価(AAPL)は2022年の1年間で約27%下落した後、2023年は48.18%上昇した。ただし2023年下半期に限れば0.74%安となっており、S&P500種株価指数(SPX)の7.18%高を下回る不振ぶりだった。24日の終値は194.50ドルで、1月に入ってからの上昇率は1.02%。やはりS&P500の2.07%に及ばない。
LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は28.68倍。スマートフォン市場でのライバルにあたる韓国サムスン電子(15.48倍)や、スマホの基本ソフトで競合するアルファベット(21.95倍、GOOGL)よりも割高だ。アナリストが提示する目標株価の平均は199.90ドルで、現状とほぼ同じ水準。40人のうち10人が強い買い、16人が買いを推奨。12人は維持、2人が売りを勧めている。
10-12月期のiPhone販売の動向に不安も
アップルの株価が冴えないのは年末商戦の結果への不安があるからだ。アップルは11月の7-9月期決算発表に際し、10-12月期の総収入は「前年並み」になるという控えめな見通しを発表。9月に新製品iPhone15シリーズを投入したにも関わらず、成長の原動力としては力不足であることを認めたといえる。またロイターによると、中国の政府系シンクタンク、中国情報通信研究院(CAICT)の集計では12月のスマートフォン出荷台数は前年同月とほぼ同じだったという。アップルは生産と販売の両面で中国と関係を深めてきたが、追い風が吹いているとは言い難い状況だ。
アップル株をめぐっては、2日に英バークレイズが投資判断を「中立」から「アンダーウエイト(売り)」に引き下げたと報じられ、株価が3.58%下落。バークレイズのアナリストはiPhoneの販売台数や販売構成の弱さなどを理由に挙げているという。株価下落の結果、アップルの時価総額は一時3兆ドルを割り込み、12日から19日にかけては世界首位の座をマイクロソフト(MSFT)に明け渡した。
こうした中で、アップルが10-12月期決算で大幅な増収を実現できれば、投資家にとっては安心材料となりそうだ。一方、5四半期連続の減収決算となれば、投資家の失望を招き、株価に引き続き下落圧力がかかることは避けられない。
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