オーストラリアドル下落 RBAが0.25%利上げも「打ち止め間近」観測広がる
RBAは7日、物価上昇を警戒して利上げを決定。一方、声明は利上げ打ち止めが近付いていることも示唆しており、豪ドルは下落した。
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が7日、政策金利を0.25%引き上げ、3.6%にすると発表した。RBAの利上げは10回連続。オーストラリアは物価上昇と経済減速に見舞われている。RBAは今回、物価上昇を抑えるために利上げを継続する一方、決定後の声明では「オーストラリアでの物価上昇はピークをつけた」との文言を新たに盛り込み、利上げサイクルが終了に近づいていることを示唆した。7日の豪ドルの対円相場は下落した。
「物価上昇はピークをつけた」
オーストラリアの1月の消費者物価指数の伸び率は7.4%。RBAが目標とする2-3%を大きく上回っている。また2022年10-12月期の実質成長率は前期比0.5と低調だった。
こうした中、RBAは利上げ決定後の声明で、物価上昇がピークをつけたと言及。世界経済の動向や国内需要の軟化を受けて、今後数か月でモノの物価上昇が落ち着いていくとした。物価の見通しについては、年内に伸び率が縮小し、2025年半ばには3%程度になるとの見方を踏襲した。
一方、経済成長については「今後2年間の成長はこれまでのトレンドを下回る」との予測を提示。人手不足を背景にした賃金上昇が続いているが、最近のデータに基づけば「物価と賃金が互いに互いを押し上げるようなサイクルに入るリスクは小さい」とも指摘した。
利上げの見通しの表現は弱めに
またRBAは前回同様、「物価上昇率を目標の水準に戻すことが最優先事項だ」と強調した。今後の方針に関する「さらなる金融政策の引き締めが必要」との表現は、前回の「今後数か月間はさらなる金利の引き上げが必要」との表現から弱められたもようだ。
7日の外国為替市場では、声明が物価上昇がピークをつけたと言及した点が材料視され、利上げサイクルが終わりに近づいているとの見方が広がった。豪ドル円相場は声明発表前に1豪ドル=91.7円程度だったが、発表後に下落し、一時、91.1円を割り込んだ。
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