豪ドル高上昇加速も オーストラリア物価加速見通し 16年ぶり高値圏
26日発表のオーストラリアの5月CPIは上昇加速の見通し。円安豪ドル高進行も見込まれれるが、日本政府の為替介入への警戒は円安を阻む要因だ。
豪ドル高の進行がさらに加速する可能性が出てきた。オーストラリア統計局が26日に発表する5月の消費者物価指数(CPI)は上昇率が前月から加速する見通し。オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)の利上げ観測を強める可能性がある。5月CPIの結果が予想を上回れば、すでに16年7か月ぶりの高値圏にある豪ドル円相場で豪ドルが買われる材料になりそうだ。ただ、足元の豪ドル高は円安によってもたらされた側面も強く、日本政府の為替介入への警戒が豪ドル円相場の上値を抑える可能性もある。
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オーストラリアの5月CPIは物価上昇が加速する見通し
オーストラリア統計局は26日午前11時30分(日本時間26日午前10時30分)に5月CPIを発表する。ロイターがまとめた事前予想では、総合指数の伸び率は前年同月比3.8%になる見通しで、4月の3.6%から上昇が加速する見込み。予想通りになれば、物価上昇加速は3か月連続になる。
物価上昇が根強くなるとの見通しを受けて、金融市場ではRBAが8月理事会で利上げに踏み切るとの見方がくすぶり続けている。LSEGのデータによると、RBAの8月利上げについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間24日午前11時段階で8.9%残っている。欧州中央銀行(ECB)が6月6日に利下げに踏み切ったのとは対照的だ。RBAは18日に発表した6月理事会の声明文で、物価上昇率が目標とする2-3%の範囲に持続的に収まるには「まだしばらく時間がかかる」としていた。
豪ドル円相場は16年7か月ぶりの高値圏 上昇加速も
こうした中、豪ドル円相場(AUD/JPY)では豪ドル高が進行している。LSEGによると、24日の取引では一時、1豪ドル=106.16円をつけ、2007年11月7日の高値(107.16円)以来の豪ドル高水準を更新。その後も、106円をはさんだ取引が続いている。5月CPIが予想を上回る結果になれば、RBAの利上げ見通しが強まり、豪ドルを買う流れがさらに続く可能性がある。
ただし、ここ数日の豪ドル高の背景には、円が売られる度合いが高まっている事情もある。豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)はRBAが理事会の結果を発表した18日は前日比0.65%高、翌19日も0.24%高となったが、20日以降は値下がりしている。一方、円は20日、21日もドルに対して売られ、ドル円相場(USD/JPY)は1ドル=160円台が迫っている。
このためオーストラリアの5月CPIの結果が予想の範囲内とみなされれば、豪ドル買いが進まない筋書きも考えられる。一方、ドル円相場での円安は為替介入への警戒感から膠着することも想定され、結果的に、豪ドル円相場の上昇の足を引っ張ることもありそうだ。
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