日本銀行が17年ぶりに利上げを決定
日本銀行がついに利上げを決定し、異例の金融政策を廃止したことで、日本が長引く経済不況から脱却する兆しを見せている。この記事で取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。
デフレとの闘いに終止符
3月19日、日本銀行は17年ぶりに利上げに踏み切り、ついにマイナス金利政策を解除すると発表した。これにより、停滞していた経済からの脱却を目的とする異例の金融政策がほぼ終了した。日本はバブル経済崩壊以降に直面していた長期的な物価の低迷や下落から脱却したと判断されたようだ。
日銀はさらに、短期利回りの抑制ために日本国債を大量に買い入れていたイールドカーブ・コントロール(YCC)を撤廃すると発表した。本政策は2016年に導入され、同行が国債発行残高の半分以上を保有する状態が続いていた。新たな短期利回り目標は0%から0.1%に引き上げられた。利回りの急騰を防ぐために国債の買い入れは継続するものの、10年物利回りについては市場の判断に委ねる方針だ。
ETFとREITに関する見通し
また、日銀は上場投資信託(ETF)と日本の不動産投資信託(J-REIT)の購入を終了すると決定した。すでに2023年10月にETFの購入を縮小し、2022年6月からREITの購入を見送っているため、市場への影響は限定的だ。
しかし、同行は保有資産の今後の扱いについては何も述べておらず、今後の動向に注目が集まりそうだ。同行の保有するETFの簿価は2024年3月10日時点で37兆円、J-REITの簿価は6600億円に上る。株高の影響により、ETFの含み益だけで約30兆円も膨らんでいる。
コマーシャルペーパー(CP)と社債(CB)については、1年程度で買い入れを終了するとしている。同行は現時点でCP約を2.3兆円、CBを約6.7兆円を保有している。
また、2%のインフレ目標については、今後2年以内に「持続的かつ安定的に達成される」との見方を示した。日本のインフレ率はすでに2年近くにわたって目標を上回っている。
高まる景気回復の兆し
同行の伝統的な金融政策への転換は、景気回復の兆しが強まっていることを反映している。日経平均株価は今月4万円の大台を突破し、1989年12月のバブル絶頂期の記録を更新した。10月〜12月期の企業の設備投資は前年同期比16.4%、売上高は4.2%、経常利益は13.3%増加した。
賃金上昇も期待できそうだ。加盟組合員700万人を擁する日本労働組合総連合会は、加盟組合が1991年以来最大となる平均5.28%の賃上げを達成したと発表した。日銀は事前にこの賃上げの動きを指摘していたが、主要金利は小幅な上昇にとどまったため、市場の反応は控えめだった。
3月19日の日経平均株価は、前日比0.66%上昇し、終値は40,003円60銭をつけた。日米の利回りは依然として大きく開きがあり、米ドルに対して円安が進んだ。トヨタ自動車(7203)の株価は前日から3.03%上昇した。主要輸出企業である同社は円安の恩恵を受けており、2月には世界で最も空売りされた銘柄に数えられた。
投資先は国内か、海外か
1989年のバブル絶頂期には4%だった外国人の日本株保有比率は、現在約31%にまで上昇している。歴史的な円安と金利政策を受け、外国人からの投資が日本株に集まっている。
対照的に、日本の投資家は外国株に流れているようだ。2012年以降、日本の海外ポートフォリオ投資は倍増し、2023年12月末には628兆4500億円にまで増加した。その半分以上は金利に敏感な債券商品かつ長期的なもので、その大部分を日本の年金基金や保険会社が保有している。金利差が大幅に縮小すれば、大きな方向転換が起こり、資金が海外に流出することが考えられる。
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