銀行株が反発し、円相場が安定する一方で、ビットコインは暴落
銀行セクターへの信頼が戻り、りそな・みずほなどの銀行株が急騰した。円相場が安定する一方で、ビットコインは米国でのバイナンスに対する規制措置への懸念から打撃を受けた。
3月28日、日本の大手銀行株の株価はさらに上昇し、銀行セクターに対する破綻の懸念を払拭する動きを見せた。3月初旬に厳しい状況を強いられたりそなホールディングスとみずほフィナンシャルグループの株価は、投資家が金融株に警戒しながらも再び投資したことで、大きく上昇した。
また、3月第4週の外国為替市場は、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを受けて大きく変動したが、第5週に入って円高ドル安の流れは収束したようだ。
一方、ビットコイン保有者にとっては不安を感じる週となった。米国の暗号資産取引所大手バイナンスに対する禁止措置への懸念が、主要暗号通貨に打撃を与えており、3月中にコインの強気相場が終わりを迎えるかもしれない。
銀行株は世界中の銀行破綻の影響を乗り超えた
世界中の銀行セクターで相次いだ破綻による銀行危機は軽視できない。金利の上昇を受け、多額の国債を保有する銀行や不動産業を展開する銀行の債券ポートフォリオが低迷した。
シリコンバレー銀行(SVB)が破綻した影響を受け、米国内の競合銀行が一気に経営危機に陥った。スイスの銀行大手UBSが緊急買収したクレディ・スイスや、3月中に一時株価が25%近く下落したドイツ銀行などの影響で、銀行破綻の懸念がヨーロッパにも波及した。
日本の銀行株への影響も深刻だった。世界中に波及した経営破綻の懸念を受け、TOPIX銀行業株価指数のは、3月9日から14日にかけて15%以上下落した。その後、2週間にわたってこの指数は15カ月ぶりの安値水準で推移している。
しかし、3月28日には、市場の安定化が進み、同指数は1.96%上昇し186円93銭で取引を終えた。
規制当局が経営不振の銀行を支援すると表明したことや、FRBが金利のピークが早まる可能性を示唆したことなどを受け、市場は落ち着きを取り戻した。
例えば、経営破綻の懸念を払拭したりそなホールディングス(8308)は3月28日に4.08%上昇し、624円50銭で取引を終えた。同日、みずほフィナンシャルグループ(8411)も2.47%上昇し、1,888円で引けた。しかし、3月上旬の直近の高値に対し、りそな銀行は20%以上、みずほ銀行は15%以上株価が低いままだ。
この日の注目株は製薬大手の大塚ホールディングス(4578)と太平洋金属(5541)で、それぞれ3.04%、2.83%上昇した。日経平均株価は0.15%上昇の27,518円25銭をつけた。
一方、日本の大手ゲーム会社は同日に大幅な下落を記録した。「メイプルストーリー」を開発したネクソン(3659)は2.09%下落し、大きな落ち込みとなった。また、「eFootbal」と「METAL GEAR」を開発したコナミ(9766)も2.08%下落し、6,120円で取引を終えた。
一時的なドル安の後、円が安定化
3月9日から31日現在までで、円はドルに対して2.9%上昇した。SVBの破綻を機に、FRBがこれまでの利上げ方針を転換せざるを得ないとの見方が投資家の間で進んだため、ドルは一時急落した。
3月第4週、FRBが25ベーシスポイントの利上げに踏み切ったことで、利回りは低下し続けた。これにより、ジェローム・パウエルFRB議長のハト派的な姿勢が再び強まり、さらに円などの競合通貨への流動性が高まるとの予想が広がった。
米ドル/円相場は、3月第5週の1週間で約1.5%上昇し、132円80銭で31日の取引を終えた。
バイナンスに対する規制措置の懸念からビットコインが暴落
世界最大の暗号通貨であるビットコインが、3月27日の前場では、約5%近く下落して底値で27,000ドルを割り、厳しい週明けとなった。
米国の商品先物取引委員会(CFTC)は、世界最大の暗号取引所であるバイナンスをトレーディングおよびデリバティブ(金融派生商品)違反で提訴し、規制措置をとる可能性を示した。バイナンスはこの訴訟に異議を唱えている。
このバイナンスに対する規制措置への懸念により、ビットコインが影響を受けた。3月上旬に始まった同コインの強気な動きは、1週間で30%以上上昇するような局面を一時見せたが、この好調は終わりを迎えた可能性がある。
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