JXTGなど石油株高い、NY原油が時間外で堅調 英・イラン関係悪化で
・JXTG、大和が投資判断上げ
・英、船舶の安全確保で欧州諸国と連携する方針
23日の東京株式市場でENEOS Holdings Inc<5020>など石油関連銘柄が高い。英国とイランの関係悪化やイラン産原油の購入を継続していた中国企業に対する米国の制裁を背景に、ニューヨーク原油先物相場が時間外で堅調に推移していることなどが取引の手掛かりになった。
JXTGの終値は前日比9.9円(1.95%)高の517.6円。
出光興産<5019>は55円(1.79%)高の3120円、INPEX<1605>は13.5円(1.42%)高の963円で取引を終えた。
東証33業種中、値上がり率で石油・石炭製品は3位、鉱業は4位だった。
JXTGは大和証券の投資判断引き上げにも支援された。大和は22日付でJXTGの投資判断を5段階で「3」から最上位の「1」に引き上げた。JXTGの株主還元姿勢は株式市場の期待を大きく上回っていることなどが理由という。JXTGは今期、500億円を上限とする自社株買いを実施する方針。一方、目標株価は従来の770円から680円に引き下げた。
ホルムズ海峡情勢
22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近8月限は続伸。この日が最終取引となり、前週末比0.59ドル(1.06%)高の1バレル=56.22ドルで終了した。
9月限は0.46ドル高の56.22ドルで引けた。時間外取引では日本時間午後2時38分現在、通常取引終値を0.07ドル上回る56.29ドルで取引されている。一時、56.30ドルまで上値を伸ばした。
ホルムズ海峡で19日、イランの革命防衛隊がイギリス船籍のタンカーを拿捕した問題で、中東の地政学リスクが一段と高まり、中東産原油の供給に影響が及ぶとの懸念が強まった。
英タンカーの拿捕について、英政府は英領ジブラルタル当局にタンカーを拿捕されたイランによる明白な報復だと述べた。ジブラルタル当局は4日、イランのタンカーがEUの制裁に反しシリアに原油を輸送しようとしたとして拿捕した。
英国のハント外相は22日、英議会でイランの対応は海賊行為だと非難。同海峡における船舶の安全確保に向け、欧州諸国と艦艇の共同展開などで連携する方針を示した。
これに対し、イラン当局は20日、英タンカーが漁船と衝突したのに呼びかけに応じなかったためだったと主張した。
米、中国企業に制裁
一方、ポンペオ米国務長官は22日、米国の対イラン制裁に違反してイラン産原油を輸入したとして、中国の国営石油企業・珠海振戎と同社の経営者1人に制裁を科したと明らかにした。イラン産原油の全面禁輸が始まった5月2日以降も珠海振戎はイランから原油を購入していたという。
長官はフロリダ州での演説で今回の制裁について「イラン最高指導者にこれ以上金が渡り、米兵の命を危険にさらすことには我慢できない」と主張した。
珠海振戎は米国内での外国為替や銀行、資産の取引が禁じられる。
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