急騰する国際商品市況とパウエルFRB議長の証言
ロシアーウクライナ危機を受け国際商品市況の価格が上昇している。目先はパウエルFRB議長の議会証言が焦点に。金融政策、インフレそして景気についてどのような見解を示すのか?に注目したい。ユーロドルは重要サポートポイント1.11の攻防に。今後の注目ポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
急騰する国際商品市況とパウエルFRB議長の証言
【サマリー】
・急騰する国際商品市況とインフレ懸念
・市場参加者の関心はパウエル証言に
・ユーロドルの焦点とチャートポイント
・国際商品市況の高騰とインフレ懸念
緊迫した状況が続くロシアーウクライナ危機(欧州の地政学リスク)を受け、国際商品市況では北海原油先物(Brent Crude)は107ドル台へと上昇している。NY原油先物(WTI)も東京時間に一時107ドル台を付ける局面が見られた。また小麦(GRA)の国際価格は、約14年ぶりの高値を付けた(ロシアは世界最大の小麦輸出国であり米農務省によれば世界輸出の17%を占める)。
これら価格の上昇を反映し、国際商品市況のトレンドを示すロイター/ジェフリーズCRB指数(CRB指数)は昨日、280ポイント台へ急騰する展開に。同指数は今年に入り20%超上昇している。
欧州の地政学リスクにより、国際商品市況の上昇トレンドはしばらく続く可能性があろう。商品価格のさらなる上昇もしくは高止まりは、世界的なインフレ懸念を高める要因である。高インフレの状況が続けば、各市場の参加者は景気の先行きリスクを意識しよう。
CRB指数のチャート
・パウエルFRB議長の議会証言に注目
欧州を震源地とした今回の地政学リスクは、米連邦準備制度理事会(FRB)にインフレと景気に関する予測の修正を迫るインパクトがある。
この点を探る上で目先は、パウエルFRB議長の議会証言(半期に一度の金融政策報告についての証言、3月2~3日)に注目したい。
金融政策に関する発言も重要だが、欧州の地政学リスクがインフレと景気に与える影響について言及する場合、その内容にも注目したい。後者について強い懸念を示す場合、米債市場では利回りに低下の圧力が高まることが予想される。
特に注目すべきは長期金利(10年債利回り)の反応である。現在は、今年の1月に利回りの低下を止めた1.7%レベルの攻防となっている。この水準を明確に下抜けるようだと、米債市場の参加者が景気の先行きリスクを意識し始めているシグナルとして警戒したい。
一方、米国株については、パウエル証言の内容を受け、性急な金融引き締めに対する懸念が後退するのか?それとも景気の先行きリスクが意識されるのか?この点を確認したい。米国市場の動きにより、外為市場では米ドル相場のトレンドが左右されよう。
米長期金利のチャート
ユーロドル 目先の焦点とチャートポイントについて
・1.11レベルがレジスタンスポイントへ転換するか?
ロシアーウクライナ危機(欧州の地政学リスク)を受け、ユーロドル(EURUSD)は昨日、1.11レベルを下方ブレイクする局面が見られた。
リスクリバーサルの動きを確認すると、急速にユーロプットへ傾いていることがわかる。今日もロシアーウクライナ情勢に関する最新のヘッドラインによってユーロドルのトレンドは左右される可能性が高いが、市場参加者がユーロドルの下落リスクを警戒していることは意識しておきたい。
ユーロドルの下落基調が続く場合、目先の焦点は1.11レベルがサポートからレジスタンスのポイントへ転換するかどうか?この点にある。
直近の動向を振り返ると、サポートポイントとして意識された1.14レベルと1.13レベルを下方ブレイクし、現在の下落基調が形成されている。さらに、1.14レベルはサポートからレジスタンスのポイントへ転換し、相場の戻りを止めた経緯もある。これらの動向を考えるならば、現在重要なサポートポイントとして意識されている1.11レベルがレジスタンスポイントへ転換する場合、市場参加者はユーロドルがさらに下落するシグナルとして捉える可能性がある。
・目先の上限は10日線とレジスタンスライン
ロシアーウクライナ情勢が解決に向かうとの報道が流れる場合は、ユーロドル(EURUSD)の反発を予想する。
しかし欧州の地政学リスクを受け、欧州中央銀行(ECB)による利上げの時期が後ずれする可能性が出てきた。また、高インフレが欧州経済に与える打撃も考えるならば、ユーロドルが反発しても今は戻り売りを警戒する局面にある。
テクニカル面では、10日線(SMA)と短期レジスタンスラインを目先の戻りの上限と想定しておきたい。これらテクニカルポイントで上値が抑制される場合は、1.11以下の攻防へシフトする展開を常に意識しておきたい。
ユーロドルのチャート
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