ダウ平均が9連騰 安定ぶり発揮 テスラなど急落のS&P500と明暗
ダウ平均が20日に約6年ぶりとなる9連騰を達成した。テスラ株などが急落したS&P500種などと明暗が分かれた。
20日の米国の株式市場でダウ工業株30種平均が9営業日連続で値上がりした。9連騰は2017年9月以来ほぼ6年ぶりだ。一方、S&P500種株価指数は20日、成長性が期待されてきた電気自動車(EV)大手のテスラなどの有力銘柄が大きく下落した結果、4営業日ぶりの値下がり。30社の優良企業のみで構成されるダウ平均が安定性を示した形になった。ダウ平均はS&P500が2割近く下落した2022年も8.8%の下落にとどまっている。今年に入ってハイペースでの上昇を続けてきたS&P500は反動減も不安視されるだけに、今後もダウ平均の安定性が注目を集める場面が出くる可能性がある。
ダウ平均の9連騰は2017年9月以来
20日のダウ平均(DJI)の終値は前日比0.5%高の35225.18。10日から9営業日連続の上昇で、この間の上昇率は4.4%に達した。金融情報会社リフィニティブのデータによると、ダウ平均が9連騰を記録するのは、2017年9月8-20日にかけて以来だ。
一方、米国の代表的な株価指数であるS&P500種(SPX)の20日の終値は前日比0.7%安だった。19日の取引時間終了後に2023年4-6月期決算を発表したテスラの株価(TSLA)が9.7%安、同じく4-6月期決算を発表した動画配信大手のネットフリックスの株価(NFLX)が8.4%安になるなどして、足を引っ張った。テスラは粗利益率の低下やイーロン・マスクCEOが値下げ戦略継続の必要性を示唆したことが不安視され、ネットフリックスは総収入が市場予想を下回ったことが悪材料になった。ハイテク株が多いナスダック総合指数も20日に2.1%下落した。
ダウ平均は「名門」銘柄で構成
ダウ平均は主要業種の代表的な30社の株価で構成され、長年にわたって好業績を残してきた「名門」と呼ばれる企業が多い。2023年の株価上昇率の上位には、半導体大手のインテル(INTC、26.3%)、銀行大手のJPモルガン・チェース(JPM、16.4%)などが名前を連ねる。ハイテク企業として組み込まれているのは、1970年代創業のアップル(AAPL、48.6%)やマイクロソフト(MSFT、44.6%)だ。
ただ、優良銘柄のみで構成されるダウ平均は比較的安定性が高い。2022年の場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ開始を背景にして、S&P500は19.4%下落、ナスダック総合は33.1%下落したが、ダウ平均の下落率は8.8%に留まっている。
S&P500やナスダック総合は今年に入って大きく上昇してきただけに反動への懸念もくすぶる。また、どちらの指数も時価総額の大きい銘柄の値動きが指数全体に与える影響が大きくなるよう計算されており、一部企業のつまづきで指数の水準が大きく損なわれる可能性もある。エヌビディアなど時価総額上位の8銘柄だけで、S&P500全体の3割、ナスダック総合の5割超を占めているだけに、今後の決算発表の結果次第で改めてダウ平均との明暗が注目される場面も出てきそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。