米国株、上半期に歴史的上昇 ナスダック32% S&P500も16%
米国株が上半期に歴史的な値上がりを記録した。値上がり業種には裾野の広がりも感じられているが、今後には不安もある。
米国株の2023年上半期の上昇率が歴史的な大きさになった。ハイテク株が多いナスダック総合指数の伸び率は40年ぶりの水準となる32%で着地。S&P500種株価指数も2000年代では過去2番目に高い16%上昇を記録した。株価が急騰している半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)などの一部銘柄だけでなく、値上がり業種の広がりもみられる。ただし米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げや世界経済の減速といった不安材料もあり、これから本格化する企業決算の内容も今後の株価を左右しそうだ。
S&P500種は上半期に2000年代で2番目の上昇率を記録
ナスダック指数の6月30日の終値は前日比1.5%高の13787.92。2022年末比では31.7%高となった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、上半期の伸び率としては1975年(45.5%)と1983年(37.1%)に次ぐ、過去3番目の大きさになった。近年は上半期の上昇率が高ければ下半期も株価が上がる傾向があり、投資家の期待はふくらむ。
一方、S&P500種の30日の終値は4450.38で、上半期の上昇率は15.9%。2000年代以降でみると、2019年上半期(17.3%)以来2番目の大きさだ。リフィニティブのデータで遡ることができる1964年以降でみると、過去9番目の上昇率となる。
米国金利の上昇などが下半期の不安材料
ただしこうした値上がりが下半期も続くかどうかには不安も残る。米FRBは6月に利上げを見送ったものの、年末までに2回の利上げを示唆。2年物米国債の利回りは30日に4.877%をつけており、シリコンバレーバンク(SVB)破綻前の水準までほぼ戻っている。さらに金利水準が上昇していけば、企業活動や消費を冷やしていく可能性がありそうだ。また、中国経済は2023年4-6月に入って失速感が出ており、米国の製造業の業績を下押しするといった筋書きも考えらえる。
米国ではこれから有力企業による4-6月期決算の発表が始まる。各社が投資家からの期待にどれだけ応えられるかによって、株価が大きく上下する局面も考えられそうだ。
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