米国株、ハイテクに勢い ナスダック上半期 40年ぶり上昇率なるか
ナスダック総合指数の上半期の上昇率は28日時点で3割。下半期にも期待がかかるが、米FRBの利上げの影響が懸念される。
米国のハイテク株の上半期の上昇率が勢いづいている。ハイテク株の割合が多いナスダック総合指数の28日の終値は2022年末に比べて約3割高い水準。このままいけば1983年の上半期以来、40年ぶりの伸びとなりそうだ。半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)をはじめとする大型株が牽引しており、下半期の値上がりにも期待がかかる。ただし物価上昇率の高さに神経を尖らせる米連邦準備制度理事会(FRB)は今後も利上げを続けるとしており、投資家心理が急変する可能性も残されている。
ナスダックの上半期上昇率は28日時点で29.9%
ナスダック指数の28日の終値は前日比0.3%高の13591.75。2022年末との比較では29.9%高となっている。金融情報会社リフィニティブのデータによると、30日の上半期末までこの水準を維持すれば、伸び率は1975年(45.5%)と1983年(37.1%)に次ぐ、過去3番目の高さになる。
こうした勢いは下半期につながるとの期待もある。上半期の上昇率が20%を超えた年は過去に10回あり、このうち1991年以降の6回は年間の騰落率が上半期の騰落率を上回った。下半期も値上がりが続いた形だ。
米FRBの「年内2回の利上げ」が株価に冷や水も
ただし今後、FRBの金融政策が株価に冷や水をかける可能性はくすぶる。FRBは2022年3月から利上げを始め、今月の利上げは見送ったものの、年末までに2回の利上げを行う可能性を示唆している。ロイター通信によると、ジェローム・パウエル議長は28日のポルドガルでのイベントでも「金融政策が引き締められてきた期間はそれほど長くない」と述べ、利上げ継続に意欲を示した。
CMEグループのデータによると、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)までに2回の利上げが行われることについて、投資家の動向から算出される確率は、日本時間29日正午ごろの段階で約25%。FRBからの「年内2回の利上げ」のメッセージを額面通りに受け取っていない形だが、それでもこの確率はFRBが14日に利上げを見送った直後の6.4%から、じわじわと上昇している。
過去のナスダック指数の騰落率をみると、大きく値上がりした翌年に大きく値下がりするケースも目立つ。なかでもITバブルの時期は、ナスダック指数が1999年の上半期に23%値上がり、年間でも86%の値上がりを記録したが、2000年から2002年の3年間では67%下落している。
今後、FRBの利上げ継続の確度が高まっていけば、投資家心理が一気に冷え込むリスクもありそうだ。
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