今週の外為市場の焦点 / ユーロドルとドル円の焦点
サマリー:『外為市場の焦点は金融政策の方向性にある。FRBとECBの政策スタンスの違いがユーロドルの下落圧力を高める可能性あり。ユーロドルとドル円のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。※次回の配信は7月26日(月)となります。
今週の外為市場の焦点
今週の外為市場は、引き続き金融政策の方向性を意識した展開が予想される。
先週、米下院金融サービス委員会で開かれた議会証言で、パウエルFRB議長はハト派スタンスの維持を示した。しかし、米国経済が回復基調にあることを考えるならば、金融政策の正常化に向けた路線は変わらないだろう。
パウエルFRBが政策転換を模索する中、今週は欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。
今回の会合では、現行の金融政策を維持することが見込まれている。今月6-7日に開かれた特別会合でラガルドECBはインフレ目標を2%未満でそれに近い水準から「2%」に設定し、一時的な上振れを容認することを示した。
現在、ユーロ圏のインフレ率(前年比)は1.9%と高止まりしている。しかし、今のインフレは資源価格の上昇による影響が大きい。事実、変動の激しい食品とエネルギーを除くコアインフレ率(同比)は0.9%と、上昇が抑制されている。
デルタ株の感染拡大でコロナパンデミックからの回復にはまだ時間がかかることも考えるならば、今回の会合でラガルドECBは緩和スタンスの維持を表明してくる可能性があろう。
ラガルドECBが金融緩和政策のスタンスを維持する場合、将来における米欧の金融政策の方向性の違いが外為市場で意識され続けよう。ユーロドル(EURUSD)は調整の反発を挟みながらも、下落トレンドの維持を想定したい。
ユーロ圏のインフレ率
ユーロドルの焦点
ラガルドECBが現行の政策を維持する可能性がある以上、今週のユーロドル(EURUSD)は、引き続き下値トライを意識したい。
下値の焦点は、今月13-14日に相場をサポートした1.1770レベルの攻防である。この水準を下方ブレイクする場合は、今年4月5日の安値1.1736レベルのトライに注目したい。今日現在、標準誤差回帰分析バンド下限が1.1738レベルで推移している。
1.1736レベルをも下抜ける展開となれば、1.1700トライを想定したい。
一方、反発の局面では10日EMA(今日現在1.1828レベル)の突破、および7月のレジスタンスポイント1.1880レベルを下方ブレイクしてきた21日EMA(今日現在1.1874レベル)のトライが焦点となろう。
米金利の上昇が抑制されても米ドル買い優勢となっている現在の状況は、外為市場で米欧の金融政策の格差が意識されていることを示唆している。ユーロドルが10日線の突破に成功しても、21日線もしくは1.1880レベルで反落する展開を警戒しておきたい。
ユーロドルのチャート
ドル円の焦点
ドル円(USDJPY)は現在、50日EMA(今日現在109.93レベル)の攻防となっている。
米長期金利が1.3%割れとなっても、2年債利回りの低下幅は限定的である。その2年債利回りとドル円の相関性が復活するかどうか?今後はこの点が焦点となろう。現時点で明確な相関性は確認できないが、その兆しは見られる。
今週のドル円の焦点だが、株高のタイミングで2年債利回りも上昇すれば、ドル円も上昇する展開を想定しておきたい。
株安の局面でも2年債利回りが上昇するならば、先週16日のように底堅さを維持することが予想される。ドル円の上昇局面では、今月13-14日に相場の反発を止めた110.70レベルのトライおよび突破に注目したい。これを達成する場合は、111円トライの可能性を意識したい。
一方、株安および米2年債利回りの低下が同時に発生する局面では、ドル円の下値トライを想定したい。だが、日米金融政策の方向性が今後鮮明になってくることを考えるならば、ドル円の下落幅は限定的になると予想する。
目先の焦点は、サポートポイントとして意識されている109.70レベルの攻防である。この水準を下方ブレイクする場合は、今月8日の大陰線安値109.50レベルをトライする展開を想定したい。109.56レベルは、直近高安の50.0%戻しの水準にあたる。
米株の続落と2年債利回りの低下が連日続く場合は、89日EMA(今日現在109.27レベル)をトライする展開を想定しておきたい。
米2年債利回りとドル円のチャート
ドル円のチャート
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