ユーロ相場と米国株が示す投資家心理の変化 / ユーロ円のチャートポイント
今週に入りユーロ相場は底堅い展開となっている。米国株も反発ムードにある。これらの動きは投資家の心理が一時的な改善傾向にあることを示唆している。この点はVIX指数の動きにも見て取れる。上昇幅が拡大しているユーロ円の焦点は?上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ユーロ相場と米国株が示す投資家心理の変化
【サマリー】
・底堅いユーロ相場と投資家心理の変化
・4,400ポイントの突破に成功したS&P500指数
・VIX/VXVレシオは短期的な投資家心理の改善を示唆
・ユーロ円のチャートポイント
・底堅いユーロ相場
今週に入り、ユーロ相場が底堅い展開となっている。
対主要通貨のパフォーマンスを確認すると、リスク回避の局面で買いの圧力が高まりやすい日本円(EURJPY)、スイスフラン(EURCHF)そして米ドル(EURUSD)で上昇していることがわかる。また、ロシアーウクライナ紛争が勃発して以降、国際商品市場の急騰にサポートされ底堅い展開となっているオセアニア通貨や原油価格との連動性が高いカナダドルでもユーロ高優勢となっている。
ロシア軍の侵攻が続いている現状を考えるならば、ウクライナでの紛争危機が意識されユーロ売りが続いてもおかしくない状況にある。しかし、実際はユーロが買い戻されている。この動きは、ロシアーウクライナ紛争が今後エスカレートするのではなく、米欧や中国も含めて何らかの落としどころを探る状況に転じる可能性の方を意識していることを示唆している。
ユーロ相場のパフォーマンス
・4,400ポイントの突破に成功したS&P500指数
ユーロ相場と同じく、米国株の動きもウクライナ紛争に対する市場参加者の思惑の変化を示唆している。
機関投資家がベンチマークとするS&P500指数(SPX)は昨日、レジスタンスポイントとして意識されてきた4,400の突破に成功した。今月15日から連日で陽線が示現していること、その過程で21日線(SMA、緑ライン)と短期レジスタンスラインを難なく突破した状況も考えるならば、投資家のリスクセンチメントはひとまず改善傾向にある。
50日線(EMA、青ライン)をも上方ブレイクする場合は、次のレジスタンスポイント4,600を視野に反発基調を維持する公算が高まろう。
S&P500指数のチャート
・短期的なリスクの後退を示唆するVIX/VXVレシオ
VIX指数は30ポイントの水準を下抜け、25ポイント台まで低下している。また、VIX とVXV(3か月)の比率を確認すると低下基調へ転じている。これは短期のリスクが後退していることを示唆している。ユーロ相場と同じく、米国株の動向も考えるならば、今は投資家心理がひとまず改善傾向にあることがうかがえる。
しかし、現在のトレンドはロシアの動向次第で変化する可能性が高い。このため、ロシアとウクライナの停戦協議に関する情報は常にチェックしておきたい。また、中長期のスパンでは景気の後退リスクが主要テーマとして浮上する可能性があると筆者は考えている。このリスクに対する警戒レベルは、ウクライナ紛争の影響を反映する3月以降の経済指標次第となろう。
VIX/VXVレシオとS&P500指数
ユーロ円のチャートポイント
・上値のポイント
上記のユーロ相場のパフォーマンスチャートを確認すると、ユーロの買戻しに加えて直近の円安トレンドも重なり、ユーロ円(EURJPY)の上昇幅が拡大している。
重要なテクニカルポイントをことごとく突破している状況も考えるならば、目先の焦点は132円台への上昇である。これを達成する場合は、全戻しの水準133.15(2月10日高値)のトライが焦点として浮上しよう。
・下値のポイント
一方、ロシアーウクライナ紛争に対するリスクが再び意識される場合は、ユーロ円(EURJPY)の反落を想定しておきたい。このケースでは目先、5日線(SMA)の攻防が焦点となろう。今月14日以降、この移動平均線がサポートラインとして意識されている。
ユーロ円が5日線を下方ブレイクする場合は、200日線(SMA)を視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。この移動平均線での攻防となる場合は、サポートラインとして意識されるかどうか?を確認したい。
この点は50日線(SMA)も同じである。この移動平均線は今年の1月下旬から2月上旬にかけて、相場の上値を抑制した経緯がある。2月25日の上昇相場の時も同じくレジスタンスラインとして意識され、124.38(3月7日安値)をトライする起点となった経緯がある。
ユーロ円のチャート
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