停戦協議の行方、米欧の制裁強化そして株式市場の反応 / ユーロドルのチャートポイント
週明けは、米欧を中心とした対ロシア制裁に対する各市場の反応が焦点に。米株先物はマイナスでスタート。外為市場ではユーロ相場に注目。ユーロドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
停戦協議の行方、米欧の制裁強化そして株式市場の反応
【サマリー】
・ウクライナ政府はベラルーシ国境でロシアと停戦協議に臨むと表明
・両国の強硬スタンスを考えるならば協議の行方は紆余曲折が予想される
・米欧の制裁強化と株式市場の反応に注目
・ユーロドルのチャートポイント
・ロシアとの停戦協議に向けて動き出すウクライナ
ウクライナ政府は27日、同国北部のチェルノブイリ原子力発電所に近いベラルーシ国境で、ロシアとの協議に前提条件なしで応じると発表した。
しかし、ロシア側の強硬スタンスに変化は見られず、またウクライナ側も即時降伏の受け入れには否定的との報道がある。実際に協議が行われても、事態が好転するかは予断を許さない状況にある。
今週の外為市場、特にユーロとロシアルーブル(USDRUB)は、この件に関する最新のヘッドラインで上下に大きく振れる展開を想定しておきたい。
対ロシア制裁を強化する米欧
ロシアーウクライナ情勢の緊迫した状況が続く中、米欧を中心に対ロシア制裁が強化されている。
すでにロシアからドイツへ天然ガスを輸送するパイプライン「ノードストリーム2」を運営する企業やその幹部を制裁の対象とした他、半導体などハイテク製品の輸出管理の措置に踏み切っている。
そして26日、米欧は国際的な決済ネットワーク(通称SWIFT)から、一部のロシア金融機関を除外することで合意した。
さらに欧州連合(EU)は27日、全空域でロシア航空機の飛行を不可にする措置を講じた。
週明けの株式市場の反応
先週の後半に、米国の株式市場では底打ち感の機運が高まった。
しかし、週明けの米株価指数先物はマイナスでスタートしている。この要因は、上で述べた対ロシア制裁の強化にあると思われる。
米欧を中心とした対ロシア制裁は、制裁する側にもデメリットがある。例えば、ロシアから供給されるエネルギーが細れば、EU域内を中心にインフレリスクを高める要因となろう。また、EUが全空域でロシア航空機の飛行を不可にしたことで、ロシア側も英国などに対して同様の措置を取ったとの報道がある。
こういった制裁の応酬が続けば、経済活動の停滞を招くとの懸念が株式市場で意識される可能性がある。また、ロシアとウクライナによる停戦協議の行方も余談を許さない状況にある。
先週24日と25日のS&P500指数(SPX)では大陽線(日足ローソク足)が示現し、ひとまずロシア-ウクライナ情勢のリスクを織り込んだシグナルが点灯している。
しかし、今週もたらされる最新のヘッドライン次第では、投資家のリスクセンチメントが再び不安定な状況に陥る可能性があろう。株式動向は円相場のトレンドを左右しよう。
S&P500指数のチャート
ユーロドルのチャートポイント
今週の外為市場は、引き続きロシアーウクライナ情勢をにらんだ展開が続こう。特に注目されるのがユーロドル(EURUSD)の動きである。
本日早朝の動きも含め、ユーロドルは三度1.11レベルをトライする動きが見られる。ロシアーウクライナ情勢のリスクが意識されこの水準を完全に下方ブレイクし、かつ1.11レベルがレジスタンスのポイントへ転換する場合は、新たなレンジでの攻防シフトを想定したい。
一方、ロシアとウクライナの停戦に向けた協議が進展すれば、ユーロドルは反発することが予想される。このケースでは、1.13レベルがサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?まずはこの点を確認したい。
1.1307レベルは直近高安の半値戻しにあたる。また、すぐ下の水準には相場の戻りを抑制している10日線(SMA)が推移している。短期レジスタンスラインが1.13レベルとクロスしていることも考えるならば、テクニカルの面で1.13前後は重要な水準として意識しておきたい。
ユーロドルのチャート
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