焦点は金利差 / ユーロドルとポンドドルのチャートポイント
サマリー:「米金利は上昇するも対ユーロとポンドで下落。要因は金利差にあり。ユーロドルとポンドドル、それぞれの焦点とチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
焦点は金利差
・金利差を反映した動き
29日の米国債券市場では、各年限の金利が上昇した。市場参加者が最も注目する長期金利は一時1.56%と、11月29日以来の水準まで上昇する局面が見られた。
米金利の上昇は、米ドル高の要因である。しかし、昨日の外為市場ではユーロや英ポンドに対して米ドルは下落した。年末に絡んだフロー(ユーロやポンドの買戻し)が関係している可能性もあるが、筆者が注目しているのは金利差である。
12月に入りマイナス0.4%レベルで推移していたドイツの長期金利は昨日マイナス0.179%まで上昇し、マイナス幅が急速に縮小している。一方、12月中旬に0.7%前後で推移していた英国の長期金利も昨日は1.027%まで上昇し、再び1%の大台を回復している。
これら利回りの上昇幅が米金利のそれを上回っているため、米独および米英の利回り格差は縮小傾向にある。その動きにユーロドル(EURUSD)とポンドドル(GBPUSD)のチャートを重ねると、長期金利格差の縮小に伴い、ユーロドルとポンドドルがサポートもしくは上昇(=米ドル相場が下落)していることがわかる。
パウエルFRBは金融政策の正常化に向けてアクセルを踏み込んでいる。来年には複数回の利上げ、そしてバランスシートの縮小を行うだろう。この過程で米金利は上昇する局面が見られよう。しかし、相対的に米金利の上昇幅が小さい場合は、通貨ペアによって、現在のような米ドル安優勢の展開となる可能性を意識しておきたい。
米独長期金利格差とユーロドルのチャート
米英長期金利格差とポンドドルのチャート
ユーロドルのチャートポイント
・重要テクニカルポイントの突破に失敗し続けるユーロドル
昨日、ユーロドル(EURUSD)の日足ローソク足は陽線引けとなった。
しかし、29日のレポートで指摘したフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準(1.1378レベル)手前で上昇が止められた。先月下旬以降、このテクニカルポイントの突破に失敗し続けている。さらに現在は、10月28~29日に相場の上昇を止めた50日EMAが38.2%のすぐ上まで低下している。
米独の利回り格差が縮小している間は、これらテクニカルポイントをトライする展開が見られよう。だが、上2つのテクニカルポイントの突破に失敗し続ける場合はレンジ相場の継続、もしくは1.12台への反落を意識する展開が続こう。
一方、これらテクニカルポイントの突破に成功しても、それらの水準(特に50日線)がサポートへ転換しないケースでも、ユーロドルの反落リスクを警戒し続けたい。
・下値の焦点は変わらず
一方、ユーロドルが反落する場合は29日のレポートで指摘したとおり、12月21~22日に相場をサポートした1.1260前後、そして11月30日以降サポートポイントとして意識されている1.1230前後の攻防に注目したい。
ポンドドルが反発の基調にある一方、ユーロドルは下落トレンドが一時的に止まっているだけである。両通貨ペアのトレンドの違いは、米欧金融政策スタンスの差が今後もユーロドルの重石となり続けることを示唆している。
ユーロドルのチャート
ポンドドルのチャートポイント
・半値戻し1.3500の攻防へ
ポンドドル(GBPUSD)は、50日SMA(1.3423レベル)を陽線で突破した。しかもNY時間の終値ベースで50日線以上の水準を維持した。
ユーロドル(EURUSD)とは違い、ポンド相場は金融政策の面(BoEによる追加の利上げ観測)でサポートされやすい状況にある。米英利回り格差が縮小傾向にあることも考えるならば、調整の反落を挟みながら、もう一段のポンド高を想定しておきたい。
目先の焦点は、28日のレポートでも指摘した半値戻しの水準1.3500である。昨日はこのテクニカルポイントで見事に上値が止められた。11月18~19日にも同じ状況が見られた。1.3500を目先の重要レジスタンスポイントとして意識したい。
・上昇しても反落しても焦点は移動平均線の攻防
今日も株高と米英利回り格差の縮小傾向が続く場合、ポンドドルは1.35台の攻防へシフトする展開を想定したい。
このケースで最初に注目したいテクニカルポイントは、100日SMA(1.3568レベル)および6月1日高値1.4248を起点とした短期レジスタンスラインの突破である。
一方、株高の調整や米英利回り格差が拡大する局面では、ポンドドルの反落を想定したい。このケースでは、50日線がサポートラインへ転換するかどうか?この点を確認したい。
50日線をあっさりと下方ブレイクする場合は、1.3350レベルの攻防が次の焦点として浮上しよう。この水準前後は、11月以降レジスタンスポイントとしてもサポートポイントとしても意識された経緯がある。
ポンドドルのチャート
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