市場の焦点はオミクロンリスクから次のテーマへ / ドル円と豪ドル米ドルのポイント
サマリー:「市場心理は改善傾向にある。焦点はオミクロンリスクからFOMCへ。ドル円は21日線の攻防が焦点に。豪ドル/米ドルは株式にらみの展開。」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
市場の焦点はオミクロンリスクから次のテーマへ
・市場心理は改善傾向へ 焦点は次のテーマへシフト
昨日の米国株式市場では、主要3指数が大幅続伸となった。S&P500指数のセクター別パフォーマンスを見ると、すべてのセクターが上昇した。米債市場では2年債、5年債そして10年債の各利回りが上昇した。
米金利の上昇は米ドル買いの要因だが、7日の外為市場ではリスク選好相場を背景に、資源国通貨や新興国通貨の買い圧力が米ドル買いのそれを上回った。
これら各市場の動向を考えるならば、オミクロンリスクで不安定な状態に陥っていた投資家心理が改善していることがうかがえる。
米ドル相場のパフォーマンス
各市場参加者が注目する次の焦点は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC、14~15日開催)である。この会合でパウエルFRBは、政策転換の加速(テーパリングの加速)を決定する可能性がある。よって、これから各市場の参加者は、FRBの政策転換とそれに伴う金利の上昇に耐えうるだけの強さが米国経済にあるのか?この点を注視していくだろう。
指標データの内容が、より重要なファクターとなってくるだろう。
ドル円のポイント
ドル円(USDJPY)は、リスク選好相場にサポートされ113円台を維持する展開となっている。しかし、米金利の上昇以上に期待インフレ率の上昇幅が大きいことで、米実質金利(10年)のマイナス幅の縮小傾向は一服している。各市場の動きが複雑に絡み合い、ドル円は21日線(SMA、今日現在113.95レベル)を未だトライ出来ずにいる。オミクロンリスクが後退していることを考えるならば、今のドル円は21日線をブレイク出来るか?この点が注目ポイントである。
ドル円が21日線の上方ブレイクに成功する場合は、それを114円トライのシグナルと捉えたい。このケースでは直近高安の半値戻し114.02、およびリトレースメント61.8%の水準114.37レベルの攻防に注目したい。しかし、これらテクニカルポイントをトライしても21日線が再びサポートラインとして意識されない限り、112円台への反落リスクは残る。
一方、ドル円が反落する場合の焦点は113円台の維持、もしくは112.50-60ゾーンの維持で変わらず。
ドル円のチャート
豪ドル/米ドルのポイント
昨日のレポートで取り上げた豪ドル/米ドル(AUDUSD)は、予想通り反発基調へ転じている。この動きの土台となっているのが、オミクロンリスクの後退によるリスク選好相場である。この点は、昨日の豪ドル/米ドルのパフォーマンスが示している(上のパフォーマンスチャートを参照)。
しかし昨日の豪ドル/米ドルは、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準0.7124レベルと10日EMA(今日現在0.7119レベル)で上昇が止められた。テクニカル面では、さらなる上昇かそれとも反落か?の分岐点にある。
これらテクニカルポイントでの攻防は、株式の動きに左右されると予想する。
米株も含めた主要な株式市場が反発のトレンドを維持する場合は、21日EMA(今日現在0.7184レベル)やフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準0.7206レベルを視野に、もう一段の豪ドル高を予想する。
逆に株式市場で利益確定売り優勢となる場合は、上で述べたテクニカルのレベルが意識されることで豪ドル/米ドルの反落を警戒したい。
なお、中長期の視点では、豪ドル/米ドルの下落トレンドが継続する展開を想定しておきたい。パウエルFRBが政策転換を加速させる可能性が高まっていることで、米豪の金融政策の差が今後さらに鮮明となっていくことが予想されるからだ。
豪ドル/米ドルのチャート
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