米金利の上昇にサポートされるドル円 FOMC後の反落を警戒
米金利はFOMC前にインフレと金融引き締め政策を意識し上昇幅が拡大。思惑先行で上昇した米金利は、FOMC後に低下する可能性あり。米金利が低下する場合、ドル円の反落を警戒したい。ユーロ円は200日線の攻防が焦点に。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の上昇にサポートされるドル円 FOMC後の反落を警戒
【サマリー】
・米金利の上昇にサポートされるドル円
・FOMC後は「米金利の低下→ドル円の反落」を警戒
・ドル円が反落した際のチャートポイント
・ユーロ円は200日線の攻防が焦点に
・米金利の上昇にサポートされるドル円
昨日の米債市場では5年債と10年債の利回りが上昇するも、その幅は限られた。海外時間の外為市場では米ドル高が一服したが、ドル円(USDJPY)は118円台で底堅さを維持した。米国株が上昇しようが下落しようが、ドル円が118円台の攻防へシフトしている今の状況は、米金利の上昇とそれによる日米利回り格差が拡大している影響が大きいことを示唆している。
ドル円と日米利回り格差のチャート
・FOMC後は「米金利の低下→ドル円の反落」を警戒
その米金利は、連邦公開市場委員会(FOMC)を前に上昇幅が拡大している。この状況を考えるならば、FOMC後は利回りが低下する可能性がある。よって、ドル円(USDJPY)も利益確定の売りに圧される展開を想定しておきたい。
しかし「米金利の低下→ドル円の反落」となっても、金融引き締めスタンスを志向する連邦準備制度理事会(FRB)と金融緩和政策を維持する日銀のスタンスの差は、今後の外為市場で強く意識されよう。よって、今回のFOMC後にドル円が反落しても、その幅は限定的になると予想する。
目先の下値ポイントだが、まずは昨日の安値117.69レベル、もしくはレジスタンスおよびサポートのポイントとして意識された経緯のある117.30レベルで反発するかどうか?を確認したい。
ドル円が116円台へ下落しても、116.30レベルがレジスタンスからサポートのポイントへ転換する可能性がある。117.30およびサポートラインとして意識されている10日線(EMA)のブレイクは、116.30台をトライするシグナルとなり得る。
一方、FOMC後もドル円が上昇トレンドを維持する場合の焦点は、2016年12月の高値118.65レベルのトライおよび突破で変わらず。昨日の高値118.44レベルの上方ブレイクは、118.65トライのシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロ円は200日線の攻防が焦点に
・焦点は200日線の攻防
15日のレポートで取り上げたユーロ円(EURJPY)は上昇トレンドを維持し、昨日は高値130.02レベルまで上昇する局面が見られた。
地合いの強さを維持するユーロ円だが、テクニカル面ではさらなる上昇か?それとも反落か?の分岐点にある。それが200日線(SMA)の攻防である。昨日は、この移動平均線で上昇が止められた。また、日足ローソク足のかたちが上影陽線だったことも考えるならば、ユーロ円は一度反落する展開を想定しておきたい。
ユーロ円が反落する要因として注目したいのが、ドル円(USDJPY)の動きである。FRBの金融引き締めを意識した米金利の上昇がFOMC後に一服する場合、「米金利の低下→ドル円の反落→ユーロ円の反落」という展開が予想される。
ユーロ円が反落する場合は、昨日の安値129.25レベルおよび21日線(SMA)で反発するかどうか?に注目したい。
・200日線突破なら131円トライが視野に
ユーロ円(EURJPY)が200日線の突破に成功する場合は、131円を視野に上昇幅の拡大を予想する。このケースでは、2月22~23日に相場の上昇を止めた130.70台の攻防に注目したい。この水準の上方ブレイクは、131円トライのシグナルとなり得る。テクニカル面では、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準131.08レベルのトライとなるか?この点が焦点となろう。
ユーロ円のチャート
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