米国のインフレ期待と実質金利 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
米国のインフレ期待が低下していることで実質金利は上昇ムードにある。実質金利の動きは短期に米ドル相場のサポート要因となろう。ドル円は再び136円台へ上昇。ユーロドルは1.06レベルがレジスタンスの水準として鮮明になってきた。目先の注目材料とチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米国のインフレ期待と実質金利
【サマリー】
・低下基調へ転じる米国のインフレ期待
・米国の実質金利は再び上昇ムードに
・ドル円は136.70レベルの攻防が再び焦点として浮上
・ユーロドル 目先の注目ポイントについて
・低下基調の米インフレ期待
6月の米消費者信頼感指数は98.7と、市場予想の100.4を大幅に下回り、2021年2月以来の水準へ低下した。また、期待指数(今後6か月の見通し)は66.4と、2013年3月以来の低水準となった。今回の消費者信頼感指数は、インフレの高進によりアメリカの消費者が先行き(景気、雇用、所得)について悲観的に考えていることを示唆する内容となった。
さえない経済指標の内容は各市場の参加者に経済の先行きリスクを意識させる要因だが、この点を先取りするようにアメリカのインフレ期待は低下へ転じている。
ミシガン大学消費者信頼感指数のインフレ期待は、1年先のそれが5.4%から5.3%へ低下した。また、5年先のそれも3.3%から3.1%へ低下した。
一方、期待インフレ率(BEI)の推移を確認すると、6月以降1年、5年そして10年のそれらが総じて低下基調へ転じている。
アメリカの期待インフレ率
・再び上昇ムードの米実質金利
これらの動きを受け、米国の実質金利(10年)は再び上昇ムードを強めている。この動きは米ドル相場のサポート要因となる。実際に昨日の米債市場では利回りが低下したが、実質金利の上昇がサポート要因となり米ドル買い優勢の展開となった。
中長期の視点で考えるならば、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策は米国債利回りの低下要因である。しかし、現在の米債市場は金融引き締め政策と景気後退懸念の綱引き状態が続いており、短期的にはもう一段の利回り上昇もしくは高止まりの展開が予想される。上で述べたとおりインフレ期待が低下基調にある状況も考えるならば、米国の実質金利は短期的に上昇基調を維持する可能性がある。
実質金利の上昇は米国株の下落要因でもあり、ゆえに株安という観点からも実質金利の上昇は米ドル相場のサポート要因となろう。
米国の金利とドルインデックスのチャート
ドル円の焦点とチャートポイント
・目先の焦点は136.70レベルの攻防
ドル円(USDJPY)は再び136円台へ上昇している。昨日は、さえない経済指標で米国債利回りが低下した。しかし、実質金利(10年)の上昇が米ドル相場をサポートした。また、リスク回避(米株安)も米ドル買いの要因となりドル円をサポートした。連日の陽線引けで下値の水準が切り上がっている状況も考えるならば、今日の焦点は、このレポートで何度も指摘しているフィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準136.70レベルのトライ&ブレイクである。
ドル円が136.70レベルを完全に突破する場合、次の焦点は137円台への攻防シフトである。過去の経緯を振り返ると、137.20台がサポートからレジスタンスのポイントへ転換した後に急落した経緯がある(1998年6月から10月にかけての動き / 週足チャートを参照)。
一方、136.70レベルでドル円の上昇が止められダブルトップ形成の可能性が意識される場合は、135円台で底固めできるかどうか?この点を確認したい。
昨日の安値135.10レベルを下方ブレイクする場合は、134円台への反落を想定しておきたい。このケースでは、134円台の維持が焦点となろう。サポートラインの候補である21日移動平均線(EMA)は今日現在、133.90台まで上昇している。ドル円が134円台(21日線)の維持に成功する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
ドル円のチャート
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点とチャートポイント
・1.06レベルがレジスタンスとして鮮明に
ユーロドル(EURUSD)は1.06レベルが新たなレジスタンスの水準として鮮明になりつつある。6月以降、この水準を何度もトライしてきたが、日足ローソク足の上ヒゲで上昇が止められるパターンが繰り返し見られる。昨日も同じ展開となり大陰線が示現。そして短期サポートラインを下方ブレイクした。
また、27日の上昇局面でフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0615がレジスタンスとして意識されたことも、1.06レベルでのユーロ売り(米ドル買い)の強さを市場参加者に印象付けている。
今日は欧州中央銀行(ECB)フォーラムでラガルド総裁がパネルディスカッションに参加する。発言の内容次第でユーロドルの変動要因となり得る。ユーロ買い要因となる場合は、21日線のトライ&ブレイクが焦点となろう。SMAとEMAは今日現在、1.0560前後で推移している。ユーロドルが21日線の突破に成功する場合は、上で述べた1.06レベル(61.8%戻し)のトライが焦点となろう。この水準のサポート転換が確認されるまでは、反落リスクを常に意識したい。
・リトレースメント38.2%~61.8%
ユーロドル(EURUSD)が続落する場合は、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。昨日は38.2%の水準付近でなんとか相場がサポートされた。米欧の利上げペースの格差や上で述べた米実質金利の上昇が続けば、1.04台の攻防へシフトする展開を想定したい。このケースでは、半値戻し(1.0486レベル)および61.8%の水準(1.0456レベル)を視野に、ユーロドルの下落幅が拡大する展開を警戒しておきたい。
ユーロドルのチャート
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