中国の指標データと欧米金利の反応
米株を含めた世界の主要な株価指数は調整を挟みながらも上昇トレンドを維持しています。株高トレンドを軸に外為市場のトレンドを予測する場合、やはり焦点は金利の動向です。今日は中国の指標データやFEDスピーカーの言動によって米金利や独金利が上下に振れる展開を想定しています。マーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・中国の指標データと欧米金利の反応
16日の米国市場は、株高と金利の上昇が同時に発生する正常なリスク選好相場となった。外為市場では対欧州通貨での米ドル買いが目立った。米ドル高の主因は米長期金利(以下米金利)の上昇にある。この日の米金利は、冴えない指標データよりも、利下げが必要な程インフレが低下する可能性に否定的なスタンスを示したエバンス・シカゴ連銀総裁やリセッション(景気後退)について否定的な見解を示したローゼングレン・ボストン連銀総裁の言動に反応し、2.6%手前まで上昇する局面が見られた。株高の維持を軸に外為市場のトレンドを予測する場合、焦点は引き続き金利動向となろう。昨日はFEDスピーカーの言動が米金利の上昇要因となり、冴えない米指標データと良好な独ZEW景況感調査の影響を凌駕した。しかし、金利動向が指標データで左右されるという基本スタンスに変わりはない。本日注視すべきは中国の指標データとなろう。4月以降に発表された同国の指標データだが、CPI(消費者物価指数)と輸入以外は総じて市場予想を上回る内容が続いている。本日の各指標データでも予想以上の内容が確認されるならば、中国経済に対する悲観論が後退することで、米金利と独金利には上昇圧力が高まろう。ユーロドルのトレンドは米独利回り格差の動向に左右されよう。米国市場が正常なリスク選好相場(=株高・米金利上昇)となれば、ドル円は上値トライの展開を予想する。このケースでの焦点は、昨年10月上旬高値114.54を起点とした短期レジスタンスラインのトライとなろう。一方、主要な新興国通貨には売り圧力が高まろう(対米ドル)。
本日、中国の指標データ以外で注目すべきイベントは、カーニーBOE総裁の講演(22時)、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の講演およびブラード米セントルイス連銀総裁の講演(ともに18日1時30分)である。
【ユーロドルと米独利回り格差】
・ドル円とユーロドルは引き続き金利にらみの展開
ドル円は株高にサポートされ底堅さを維持しよう。上値の水準は米金利の動向で決定されよう。中国の指標データやFEDスピーカーの言動で米金利が上昇する場合、上述した短期レジスタンスライン(112.80前後)のトライが焦点となろう。一方、株式市場、特に米株に調整の売り圧力が高まるケースでは、112.00前後で上値がレジストされる展開を予想する。このケースでは111.80もしくは111.60までの反落を警戒したい。112.10および112.20-112.50にはオファーが観測されている。一方、111.80-111.50には断続的にビッドの観測あり。
ユーロドルは、米独利回り格差の動向でトレンドが左右されよう。テクニカル面での上値攻防分岐は、フィボナッチ・プロジェクション50.00%の水準1.1318および1.1330で変更なし。一方、下値の攻防分岐は短期サポートラインを想定する。21日MA(1.1269前後)の下方ブレイクは、このラインをトライするシグナルとして意識しておきたい。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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