リスク資産の動きに揺れる外為市場 今日の焦点は米インフレ指標 / ドル円とユーロドルは21日線の攻防が焦点
サマリー:「外為市場は株式やコモディティといったリスク資産に連動する動きが見られる。今日の注目イベントは11月の米CPI。ドル円とユーロドルの短期的なポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
リスク資産の動きに揺れる外為市場 今日の焦点は米インフレ指標
・リスク資産にらみの外為市場
9日の米国株式市場は、景気敏感株や半導体株の売りで上昇が一服した。NY原油先物価格(WTI)も反落した。
今の外為市場は、リスク資産である株式や商品(コモディティ)価格にらみの展開となっている。
今週前半は、オミクロンリスクの後退でリスク資産が買われる状況に追随し、資源国通貨や資源と関わりのある新興国通貨が対米ドルで買われる局面が見られた。そして昨日は、リスク資産の反落で資源国通貨や新興国通貨が売られ、円が買われた。
米ドル買いも見られたが、円ドル(ドル円)のパフォーマンスを見ると、円買いの圧力が勝ったことがわかる。今日の外為市場もリスク資産の動きをにらんだ展開になることが予想される。
円相場のパフォーマンスチャート
・米国のインフレ指標(CPI)と米株の反応
今日の注目のイベントは、11月の米消費者物価指数(CPI)である(日本時間22時30分発表)。市場の予想は前年同月比で6.8%、コアのそれは同比4.9%で、いずれも10月からインフレが加速する見通しとなっている。
強いCPIはパウエルFRBの政策転換の加速を市場参加者に意識させる要因である。週末というタイミングやFOMCが控えている事も考えるならば、今回のCPIでインフレの加速が確認され場合、米国株の利益確定売りを促す可能性がある。
実際に米国株が続落する場合は、リスク回避の米ドル買いと円買いを想定しておきたい。ドル円(USDJPY)は米国株の売りに圧され、下落する展開を警戒したい。
米国消費者物価指数のチャート
21日線の攻防が焦点のドル円とユーロドル
・ドル円のポイント
そのドル円(USDJPY)は、このレポートで何度か指摘している21日線(SMA、今日現在113.91レベル)で見事に戻りが止められている。上で述べた米CPIが予想以上となっても、インフレの高止まりは想定されていることであり、米株が続落すれば金利も追随して低下する可能性がある。
実際にドル円が下値トライとなる場合、まずは今週サポートポイントとして意識されている113.30レベルの攻防に注目したい。この水準で反転する場合は113円を中心としたレンジ相場を予想する一方、完全に下方ブレイクする場合は、113.00トライを予想する。
113円台の維持に失敗する場合は、短期サポートラインのトライを想定しておきたい。このラインは今日現在、112.90レベルで推移している。
一方、米CPIの結果が米国株に影響せずリスク選好ムードが再び高まる場合は、ドル円の上値トライを予想する。このケースでは、上で述べた21日線のトライが焦点となろう。
来週にFOMCを控えていることを考えるならば、21日線を上方ブレイクしても、直近高安の50.0%戻し114.02レベルで利益を確定する売りにより反落する展開を警戒しておきたい。
ドル円のチャート
・ユーロドルのポイント
ドル円(USDJPY)と同じく、ユーロドル(EURUSD)も21日線(EMA、今日現在1.1335レベル)で戻りが止められている。
日足チャートを見ると、8~9日に連日で相場の戻りが抑制され、再び下値トライのムードが高まっている。トレンドフォローを重視するならば、ユーロドルは売りスタンスで臨みたい。
今日は米CPI発表後の動きが焦点となるだろう。インフレの加速とそれに伴うパウエルFRBの政策転換の思惑は、米国株の短期的な売り要因となり得る。
冒頭で述べたとおり、今の外為市場はリスク資産の動きに連動している。この状況を考えるならば、米国株の下落は米ドル買い要因となり得る。
また、米CPIの結果が米金利の上昇を促す場合も米ドル買い要因である。今日のユーロドルは、1.12台の攻防を想定し、1.1263(12/8安値)もしくは1.1226(12/7安値)のいずれかで二度反転するかどうか?この点に注目したい。
一方、米CPIが予想以下となる場合、米国株が反発する一方、金利の上昇が抑制される展開が考えられる。このケースでは、ユーロドルが反発する可能性があろう。いわゆるショートカバー(短期的な買戻し)の展開である。
しかし、投機筋のポジション動向を確認すると、ユーロのネットショートは2.3万枚前後である。ドル円の7.9万枚と比べると、その水準は低い。よって、ユーロのショートカバーが入っても21日線でショートカバーが抑制される展開を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
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