米ドル高トレンド形成の条件と四半期決算
米金利のトレンドは米ドル相場のトレンド決定要因です。しかし、金利の上昇のみでは、米ドル相場が持続的な上昇トレンドを描くことはできません。その米株ですが、今日以降、四半期決算が焦点となるでしょう。焦点については、今日のマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・米ドル高トレンド形成の条件と四半期決算
3月米PPI(生産者物価指数)が市場予想以上となり、また新規失業保険申請件数も前週比で8000件減少の19.6万件と、約49年半ぶりの低水準となったことを受け、11日の米国債券市場は米債売り優勢の展開となった。米長期金利(以下米金利)は小幅ながらも反発したことで、外為市場では米ドル買い優勢の展開となった。一方、米株は上昇トレンドを維持するも、四半期決算を前に上昇幅は抑制傾向にある。「株高 / 米金利の低下」局面では、「米ドル売り/資源&新興国通貨買い」が現在の外為市場のトレンドであることをこのレポートで再三指摘してきた。逆に昨日の動向 ―「株高の抑制 / 米金利の上昇」局面での外為市場のトレンドは、「米ドル買い / 資源&新興国通貨売り」である。これら2つのトレンドに共通しているのは、「米金利のトレンド=米ドル相場のトレンド」ということである。だが、米ドル相場が上昇トレンドを形成するためには、昨日のような米金利の上昇のみに頼るのではなく、やはり株高と金利の上昇が同時に発生することが条件となろう。米株の上値が抑制され続ければ、米金利上昇の抑制要因となるからだ。
本日は4月 ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表されるが、市場予想から余程乖離した内容が出ない限り米金利と外為市場への影響は限定的だろう。本日は米株の動向に注目したい。その米株は、四半期決算にらみの展開となろう。本日は米大手金融セクターの決算(JPモルガン / ウェルズファーゴ)が発表される。収益の内容以上に見通しが重要な焦点となろう。後者の点で厳しい見方が増える場合、高値圏にある米株には利益確定売り圧力が高まろう。米株の下落は米金利の低下要因である。「米株下落 / 米金利低下」の局面における外為市場のトレンドが円買いであることを意識しておきたい。
・ドル円は株式にらみ ユーロドルは米金利にらみ
今日のドル円も株式にらみの展開となろう。米株が堅調地合いとなれば、112円を目指す展開を想定する。直近のレジスタンスポイント111.80の突破は112.00トライのシグナルと想定する。111.80から112.20にかけては断続的にオファーが並んでいる。一方、下値の焦点は、昨日同様リトレースメント50.00%の水準110.75の維持で変わらず。110.80から110.50にかけてはビッドの観測あり。
ユーロドルは1.12台を中心としたレンジ相場を想定する。トレンドは米金利の動向次第となろう。米金利の反発基調が続く場合は1.1200トライを意識したい。1.1240から1.1200にかけては断続的にビッドが並んでいる。10日安値1.1228の下方ブレイクは1.1200トライのシグナルとして警戒したい。一方、上値の焦点は引き続きフィボナッチ・プロジェクション38.20%の水準1.1286となろう。このテクニカルポイントが意識され3日連続で上ヒゲが示現しての反落となっている。1.1290にはオファーが観測されている。1.1300にもオファーの観測あり。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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