ユーロドルとドル円 今週の展望とチャートポイント
今日のポイント:『今週のユーロドルは引き続き下落リスクを警戒したい。一方、ドル円は短期レジスタンスラインの攻防が引き続き焦点となろう。上下のチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ユーロドル 今週の展望
今週20日に大統領就任式を迎えるバイデン氏は、14日に第1弾の経済対策として1.9兆ドル規模の財政出動を発表した。予想される共和党の反発や政策の実現性を見極めたいとの思惑が強いのか、これに対する米国市場と米ドル相場の反応は今のところ限定的である。
このまま様子見が続くのか?それともバイデン政策に対する期待が先行するのか?今週もこの点が米長期金利(以下では米金利)の動向を左右しよう。そして米ドル相場は米金利の動向に左右されよう。
このような状況の中で注目したい通貨ペアが、ユーロドルである。
年初来の騰落率を確認すると、米金利の反発による米ドル買いの他、イタリアの政局不安が意識されたユーロ売りも重なり、ユーロ相場全体が下落している(対先進国通貨)。
オランダのルッテ内閣の総辞職や新型コロナウイルスの感染拡大を受けドイツやフランスが規制を強化している現状も考えるならば、今週のユーロドルは、引き続き下落リスクを警戒する状況が続くと予想する。
ユーロ相場のパフォーマンチャート
ユーロドルのチャートポイント
市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)を確認すると、ユーロドルのそれは低下基調にある。また、ユーロポンドやユーロ円のそれも低下基調にある。少なくとも通貨オプション市場の参加者はユーロ安を意識していることがわかる。
ユーロドルの下落トレンドが続く場合、目先の焦点はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.2063レベルの攻防となろう。昨年12月9日に、ユーロドルはこの水準で反発した経緯がある。38.2%のブレイクは1.20トライのシグナルと想定したい。
1.20をも下方にブレイクする展開となれば、昨年の夏以降、相場を抑制する局面が多く見られた1.19レベルの維持が焦点として浮上しよう。このケースでは、米金利の上昇幅が拡大している可能性が高い。
一方、米金利が低下する局面でのユーロドルは、米ドル安にサポートされる展開を予想する。しかし、ユーロ売りの圧力が米ドル安の影響を相殺するだろう。よって、反発の幅は限定的と予想する。このケースでの焦点は、21日MAのトライを想定したい。今日現在、このMAは1.2207前後で推移している。
ユーロ相場の短期予測
ユーロドルのチャート
ドル円 今週の展望とチャートポイント
今週のドル円は、引き続き短期レジスタンスラインの攻防が焦点となろう。今日現在、このラインは104.40レベルで推移している。
市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)は、緩やかな上昇トレンドにある。市場参加者はドル円の下落リスクが後退しつつあることを意識しているが、トレンドは米金利の動向に左右されよう。
米金利が上昇する局面では、上で述べたレジスタンスラインを視野に上昇幅の拡大を予想する。先週14日の高値104.20レベルのブレイクは、レジスタンスラインをトライするシグナルと想定したい。
一方、下値の焦点は21日MA(今日現在103.55レベル)の攻防となろう。先週13日以降、このMAがサポートラインとして意識されている。米金利の低下幅が拡大する局面では、21日MAの下方ブレイクと102円台への反落を想定したい。
なお、現時点で米金利の低下圧力を高める要因として考えられるのは、バイデン政策に対する期待の後退である。共和党の反対により政策の実現に懐疑的な見方が広がれば、米金利には低下の圧力が高まろう。また、このケースでは円買いの圧力も高まるだろう。
ドル円の短期予測
ドル円のチャート
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