新たな米ドル買いの材料待ち / ユーロドルとポンドドルの焦点
サマリー:『外為市場では新たな米ドル買いの材料待ち。ユーロドルとポンドドルは下値をトライする展開を意識したい。上下のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
新たな米ドル買いの材料待ち
昨日のドル円(USDJPY)は、欧州タイムに111円をトライする局面が見られた。しかしこの水準の突破に失敗すると、110円ミドルまで反落した。
一方、ユーロドル(EURUSD)は1.19割れをトライする局面が見られた。しかし1.19を割り込む展開とはならず、現在は1.19前半で売り買いが交錯している。
また、同じ欧州通貨の英ポンドは対米ドル(GBPUSD)で、1.39レベルを挟んで売り買いが交錯している。
昨日の豪ドル/米ドル(AUDUSD)は陰線引けとなった。0.7620レベルがレジスタンスのポイントとして意識され始めているが、今月18日に下落トレンドを止めた0.7480レベルをトライするムードはない。
米ドル買い優勢の局面は見られるも、主要通貨ペアが重要チャートポイントをトライもしくはブレイクできない状況は、外為市場が新たな米ドル買い材料を待つ状況にあることを示唆している。
目先、その材料は昨日のレポートでも指摘したとおり7月2日の6月雇用統計である。それまで主要通貨ペアは、レンジで推移する可能性がある。
ユーロドルの焦点
昨日、1.19割れをトライしたユーロドル(EURUSD)だが、現在はかろうじてその水準の維持に成功している。
今月22日の議会証言でパウエルFRB議長は、ハト派の姿勢を示すことで早期の政策転換について釘を刺してきた。ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁も早期の利上げについて「まだかなり先の話」と指摘した。FOMCのタカ派色を薄めるキーマンたちの言動で米金利の反発は抑制されている。この状況が続く限り、さらに米ドルの買い圧力が高まる可能性は低い。
上で述べたとおり、今週は米雇用統計の結果を見るまで動きづらい。よって、ユーロドルはレンジで売り買いが交錯する展開が予想される。
上値の焦点は、このレポートで再三指摘しているとおり、1.20前後の攻防で変わらず。1.2013レベルには21日EMAが低下している。50EMAも1.2049まで低下している。これらEMAでデッドクロスが示現していること、1.1970レベルでユーロ売りの圧力が高まる状況も考えるならば、米雇用統計前に1.20をトライする局面は見られても、1.20台へしっかりと乗せてくる可能性は低いと予想する。
一方、下値の焦点は、5月以降の下落トレンドを止めた1.1845レベルの維持となろう。すぐ下の水準1.1835はフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。日足で連日上ヒゲが示現している状況を考えるならば、米金利がこう着状態にある中でも、ユーロドルの下値トライを意識しておきたい。
ユーロドルのチャート
ポンドドルの焦点
ポンドドル(GBPUSD)でも下値トライを意識すべき局面にある。ユーロドルと同じく、21日EMAが50日EMAを下方ブレイクし、デッドクロスが示現した。また、今月17日以降、二度1.40レベルで反発が抑制されている。そして昨日は長い上ヒゲが示現し、地合いの弱さを市場参加者に印象付けた。
米金利の反発が抑制され、かつ特段リスク回避のムードが高まっている状況でないにもかかわらず上値が抑制されている今の状況を考えるならば、ポンドドルはサポートポイントとして意識されている1.3860レベルの下方ブレイクを意識しておきたい。
このケースでは、フィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準1.3827レベルおよび短期サポートラインの攻防に注目したい。このラインは今週、1.3800から1.3810のレベルで推移する。
1.38台をも下方ブレイクする場合は、今月21日の安値1.3787で二度下値がサポートされるかどうか?この点を確認したい。
一方、上値の焦点は1.40前後の攻防で変わらず。21日EMAは今日現在、1.3992レベルと1.40を下抜ける水準へ低下している。一方、50日EMAは1.40レベルで推移している。
ポンドドルのチャート
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