米ドル以上に軟調なユーロ / ユーロドルとポンドドルのチャートポイント
今日のポイント:『今はユーロ相場が軟調地合いにある。ユーロドルのチャートポイントについて。ポンドドルは1.37がレジスタンスとして意識されている。目先は50日MAまでの反落を想定しておきたい』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル以上に軟調なユーロ
20日の外為市場は米ドル安優勢の展開となった。この日の米国株式市場では、主要3指数が軒並み上昇した。一方、米債市場では長期金利(以下では米金利)が1.075%まで低下した。
昨年から何度も見られた株高のみのリスク選好相場により、外為市場では米ドル安優勢の展開となった。
ドル円は安値103.43まで下落する局面が見られた。20日のレポートでドル円のトレンドは米金利の動向次第と指摘したが、昨日の動向を見る限り、本日も米金利にらみの展開となろう。
米ドル以上に売り圧力が高まっているのがユーロである。
昨日のパフォーマンスを確認すると、先進国通貨や新興国通貨を問わず、軒並み下落したことがわかる。
新型コロナウイルスの感染拡大により、欧州の主要国は行動規制を強化している。直近ではドイツのメルケル首相が、公共の場での医療用マスクの着用を義務化し、都市機能を封鎖する(ロックダウン)期間を1月末から来月の14日まで延長する方針を示した。
こうした規制の強化はユーロ圏経済のリセッション懸念を高め、現在のユーロ売りへとつながっている。
英国では変異株ウイルスのリスクに直面しているが、ユーロポンドの動向を確認すると、ユーロ安/ポンド高優勢で推移している。いかに今のユーロ相場が軟調地合いにあるかがわかる。
ユーロ相場のパフォーマンス
ユーロドルのチャートポイント
今日のユーロドルは、引き続き戻り高値の水準を確認することが焦点となろう。テクニカル面では21日MA(1.2195前後)の攻防となるかどうか?この点に注目したい。昨日高値1.2157の突破は、このMAを目指すシグナルと想定したい。
21日MAで上値が抑制されるか、このMAをトライすることなく反落する場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.2063レベルを再び目指す展開を予想する。
市場の短期予測を反映するリスクリバーサル(ユーロドル)は、1週間と1ヶ月でともに反転基調にある。株高の調整や米金利の反発で米ドル買いの圧力が高まりユーロドルが下落しても、1.2060レベルで反転する展開を予想する。
ユーロドルのチャート
ポンドドルのチャートポイント
一方、ポンドドルの焦点は1.37の攻防にある。今年に入ってからポンドドルは、この水準で何度も上値が抑制されている。
米金利が低下基調にあるにもかかわらず(米ドル安によってサポートされやすい状況であるにもかかわらず)、1.37レベルを完全に突破できない状況は、不意の反落リスクを高める要因となる。昨日は長い上ヒゲが示現した(日足ローソク足)。高値圏での上影陽線は、相場が反落するシグナルの一つである。
だが、1.37がレジスタンスのポイントとして意識され続けても、現在のポンドドルのトレンドを考えるならば下落幅は限定的と予想する。
まずは今月18日の安値1.3518の維持が焦点となろう。この日は長い下ヒゲが示現し反発した経緯がある。
今日以降、1.3518もしくは1.35台を下方にブレイクしても、昨年12月の急落時に相場をサポートした50日MA(1.3461レベル)前後でサポートされる展開を予想する。
ポンドドルのチャート
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