調整の米ドル売り/ ユーロドルとポンドドルのチャートポイントは?
今日のポイント:『昨日の米ドル売りは調整の範囲内。米金利はもう一段上昇する可能性がある。ユーロドルとポンドドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
調整の米ドル売り
先週2日に発表された3月の雇用統計では、コロナショックの影響が最も大きかったレジャーや接客業での雇用回復が確認された。
そして昨日発表された同月のISM非製造業景況指数は63.7と、統計開始以来の高水準を記録し、あらためてサービス産業の回復が示された。
米経済の回復が具体的な指標データで確認されたことでS&P500指数は最高値を更新する展開に。一方、米長期金利(以下では米金利)の上昇は1.74%で抑制された。
米国市場が株高のみのリスク選好相場となったことを受け、外為市場では米ドル安優勢の展開となった。
米ドル相場のパフォーマンス
米国経済の回復が順調に進んでいること、そしてバイデン政権が公約どおり経済対策を実行し、かつコロナワクチンの供給に尽力していることも考えるならば、米金利はもう一段上昇する可能性がある。
よって、昨日の米ドル安は、これまで進行してきた米ドル高を調整する動きだったといえる。
ユーロドルのチャートポイント
市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)の動向を確認すると、ユーロドルのそれが上昇基調にある。テクニカル面では短期レジスタンスラインの突破に成功している。
現在、ユーロを積極的に買う材料は見当たらないが、『米金利の上昇が抑制→米ドル安』にサポートされての反発を想定する局面にある。
まずは、昨日の戻りを抑制したリトレースメント38.2%の水準1.1812レベルの突破が焦点となろう。
これを達成する場合は、今日現在1.1852レベルで推移している21日MAをトライするかどうか?この点に注目したい。
3月上旬に相場をサポートした1.1840レベルの突破は、21日MAをトライするシグナルと想定したい。
21日MAの突破にも成功する場合は、リトレースメント61.8%の水準1.1880レベルを視野に上昇幅の拡大を予想する。この水準は3月中旬から下旬にかけて相場をサポートした経緯がある。1.1840レベルと同じく、サポートポイントからレジスタンスポイントへ転換する可能性を意識したい。
上述したレジスタンスポイントでユーロドルの戻りが抑制される状況が続けば、1.17を再び目指す展開を予想する。
ユーロドルのチャート
ポンドドルのチャートポイント
英ポンド(以下ではポンド)も対米ドルで反発基調へ転じている。
ユーロポンドの下落トレンド(ユーロ売り/ポンド買い)に加え、テクニカル面では昨年の12月以降、ポンドドルをサポートしてきた50日MAを再び上抜けていること、そして短期レジスタンスラインの突破に成功していることも考えるならば、ポンドドルはユーロドル以上に上昇幅が拡大する可能性がある。
まずは、昨日の上値を抑制した1.3915レベルの突破が焦点だが、今のポンドドルの強さを考えるならば、先月19日に上値を抑制した1.3960レベルのトライおよび突破となるか?この点に注目したい。
この水準の突破に成功する場合は、1.40を視野に上昇幅の拡大を予想する。
一方、下値の焦点は1.3850レベルと1.3810レベルの攻防に注目したい。前者の水準は、レジスタンスポイントからサポートポイントへ転換する可能性がある。
ポンドドルのチャート①
ポンドドルのチャート②
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