今週の注目ポイント/ ドル円とユーロドルの焦点について
今日のポイント:『今週は米指標データに注目。米金利は指標データの内容で動く可能性あり。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今週の注目ポイント
現在の外為市場は、米長期金利(以下では米金利)にらみの展開が続いている。
今週、その米金利の変動要因となり得るのが指標データである。
まずは13日に発表される3月の消費者物価指数(CPI)の内容に注目したい。米連邦準備理事会(FED)が物価の目標とするのは個人消費支出(PCE)だが、同じインフレ指標として市場の注目度が高いCPIも米金利の変動要因となり得る。
今回の市場予想(前年同期比)は2.5%(前回1.7%)、価格変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数のそれは1.5%(前回1.3%)となっている。特に注目すべきはコア指数の方である。市場予想以上となれば、米金利には上昇圧力が高まることが予想される。
また、15日に発表される4月の製造業関連指標や個人消費の動きを反映する3月の小売売上高は、米経済の回復度合いを測る重要な指標である。これら指標データが総じて予想を上回る場合も、米金利の上昇要因となろう。米金利が上昇する場合、外為市場では米ドルを買い戻す動きが見られよう。
逆に指標データの内容が総じて市場予想以下となる場合は、米金利の上昇が抑制される可能性が高い。このケースでは、米株が調整の反落を挟みながらも、政策の継続期待を背景に株高トレンドを維持すると予想する。外為市場では株高のみのリスク選好相場を背景に、米ドル相場が下落する一方、資源国通貨や新興国通貨が堅調に推移すると予想する。
米消費者物価指数(CPI)の動向
ドル円の焦点
今週もドル円のトレンドは、米金利の動向に左右されると予想する。
市場参加者の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)の動向を確認すると、低下基調が止まっている。市場参加者はドル円の反発を意識し始めていることがうかがえる。
良好な米指標データを背景に米金利が反発へ転じる場合は、110円台への再上昇を予想する。このケースでの焦点は、今月6日の高値110.55レベルおよび2日と5日に上値を抑制した110.74レベルの攻防に注目したい。これらレジスタンスポイントの突破に成功する場合は、111円をトライするシグナルと想定したい。
一方、下値の焦点だが、まずは109円台の維持に注目したい。だが、重要サポートポイントとして注目すべきは、3月に相場をサポートし続けた108.30レベルの方である。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点
先週8日のレポートで、ユーロドルは反落リスクに警戒と指摘した。8日と9日の動向を確認すると、1.1920台で上値が抑制され9日は陰線引けとなった。
21日MA(今日現在1.1847レベル)より上の水準で推移している状況を考えるならば、ユーロドルの反発基調は根強く続いているといえる。
だが、市場の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)の上昇に陰りが見えている。この状況を考えるならば、ここから先のユーロドルの上昇は限定的となる可能性がある。
また米金利の動向次第では、反落リスクを警戒するフェーズへシフトするだろう。
今週の米指標データが総じて良好な内容となれば、米金利は反発すると予想する。このケースでのユーロドルは、21日MAの下方ブレイクと1.18台の維持が焦点となろう。今月6日に大陽線が示現した際は、安値1.1794レベルでサポートされた経緯がある。
一方、米金利の低下基調が続く場合は、1.1940台および1.1980台の攻防に注目したい。特に後者の水準は、3月にユーロドルの上値を抑制し続けた経緯がある。
ユーロドルのチャート
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