FOMCと米中通商協議
売り買いが交錯しているドル円とユーロドルですが、今日以降はFOMCと米中通商協議という2つのビッグイベントにより上下に大きく振れる可能性があります。それぞれの焦点は?本日のマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・FOMCと米中通商協議
29日の海外外為市場では、米ドル相場および円相場に大きな動きは見られなかった。イベント待ちムードが漂う中、英ポンドはNYタイムに対米ドルおよび円で下落幅が拡大した。英国議会でEU離脱期限の延期を求める修正案が否決されたことに反応した。だが、BREXITリスクに対する欧米株式の反応が限定的だった状況を考えるならば、現在のところそのネガティブな影響は限定的。目先のメインテーマはやはり米国イベントである。注視すべきイベントは二つ-FOMCと米中通商協議である。FOMCは米ドル安イベントになる可能性がある。今回の焦点は、パウエルFRBが考える最新の経済見通しである。昨年12月の会合時点でパウエルFRBは米国経済の現状については堅調さを保っていると指摘。しかし先行きを懸念する議論がなされ、今月10日の講演ではパウエル議長があらためて「懸念は海外情勢」と言及。今回のFOMCで海外リスクに対する警戒レベルを引き上げてくるならば、追加の利上げについて慎重な文言 ― 例えば「辛抱強く」― が盛り込まれる可能性がある。このケースでは、利上げ観測の後退よりも先行き懸念の方に米国市場(株式/長期金利)が反応し、外為市場では米ドル安圧力が高まる展開を想定。また最新の経済見通しは、4.5兆米ドル規模まで膨らんだバランスシートの縮小議論にも影響しよう(FRBは現在毎月500億ドルずつ資産を圧縮中)。
一方、米中通商協議(30~31日)では、ベースシナリオとリスクシナリオの2つを想定しておきたい。中国サイドが、すでに決定している米国産の輸入拡大およびトランプ政権が求める構造改革についてのロードマップを米国サイドに提示する他、ハイテク技術を中心とした知的財産権の侵害についても止めると表明する展開をベースシナリオと想定している。このケースでは米国市場のリスク選好相場を想定。米ドル相場は対円およびユーロで買い戻されよう。一方、中国サイドが一切譲歩しない、もしくは譲歩してもトランプ政権を納得させる内容でない場合、声明文すら発表されない可能性がある。これをリスクシナリオと想定。このケースでは米中貿易摩擦を意識した米ドル買い優勢の展開となろう。だが、株安となる可能性が高いことを考えるならば、米ドル買い以上に円買い圧力が高まろう。
・ドル円/ユーロドルのチャートポイント
本日以降、上述したイベントの内容次第で米ドル相場は売り買いが交錯しよう。目先のドル円はFOMCの内容に左右されることを意識し、108円ミドルから110円前半をコアレンジと想定。109円ブレイクの場合は、短期サポートライン(108.60前後)の攻防を注視する展開となろう。109.00および108.80にはビッドが観測されている。一方、110.00ブレイクの場合は、52週MAが推移している110.20レベルの突破が焦点となろう。110.00にはオファーの観測あり。反発基調にあるユーロドルの焦点は1.15台の上昇が焦点となろう。リトレースメント61.80%の水準1.1461の突破は1.1500トライのシグナルと想定。1.1480および1.1500にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は1.14台の維持となろう。1.13台の攻防へシフトしても21日MAを維持するならば、引き続き1.15トライの可能性を意識したい。1.1390から1.1350にかけては断続的にビッドが並んでいる。
【チャート1:ドル円】
【チャート2:ユーロドル】
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