米中貿易問題は米ドル買い要因
Analysis Highlights
・米中貿易摩擦=米ドル買い要因
22日の米株は下落。この動きに連動し長期金利も低下した。これらの動向はドル円の下落圧力を高め、安値109.13を付ける局面が見られた。だが、他のドルストレートの動向を確認すると、対先進国通貨では強弱まちまちであり、新興国通貨に対しては米ドル高となった。昨日、各市場のメインテーマとなったのが米中貿易摩擦であることを考えるならば、米ドル高の主因は貿易摩擦にあろう。この点は新興国通貨を中心に米ドル買い優勢となったことが示唆している。このレポートで指摘してきた「米中貿易摩擦=米ドル買い要因」の構図は未だ続いており、この問題を背景に米金利が低下しても、外為市場では貿易摩擦がその影響を相殺する状況が続くことを昨日の米ドル相場は示唆している。
米中貿易交渉については情報が錯綜しており、今後もポジティブ /ネガティブ両方の観測報道が流れよう。注視すべきは報道を受けた後のリスクセンチメントの動向である。特に米株のそれが重要だが、VIX指数は警戒水準の20ポイントを再び上回ってきた。一方、S&P500 のボラティリティ(終値ベース)を確認すると急低下していることがわかる。2018年以降の動向を確認すると、低すぎるボラティリティは将来の拡大シグナルとなっていることがわかる。その水準として注視すべは6%前後である。直近では、一時8%台の水準まで低下する局面が見られた。昨年12月26日以降、一貫して反発基調を維持していること、そして上記のリスクセンチメントの動向も考えるならば、再浮上してきた米中貿易摩擦を理由に米株は一度調整の反落圧力に直面する展開を警戒したい。
・ドル円は108円台への反落を警戒 ユーロドルは引き続きサポートラインの攻防が焦点
本日のドル円は上値の重い展開を想定している。トレンドは引き続き株式動向に左右されるだろう。最も注視すべき米株は、上述のとおり調整の反落局面へ転じる可能性がある。これを警戒し、108円台をつっかける展開を想定しておきたい。このケースでの下値の焦点は、2本の短期サポートラインの攻防となろう。今月10日安値107.76を起点としたラインは108.73前後で推移している。一方、4日安値107.50を起点としたラインは108.30で推移中。直近のビッドオーダーが108.80および108.60-50で観測されている点を考えるならば、まずは前者のラインで反転するかどうかを見極めたい。一方、上値の焦点は18日高値109.88の突破が焦点となろう。このレベルの突破は110.00トライのシグナルとなろう。109.90にはオファーが観測されている。110.00にも厚いオファーの観測あり。
ユーロドルは、引き続き短期サポートライン(1.1325前後)の攻防が焦点となろう。「米株安→金利低下」でも、その背景にあるのが米中貿易摩擦である以上、ラインブレイクを警戒したい。1.1320から1.1300にかけては断続的にビッドが観測されている。一方、上値の焦点は、昨日と同じく21日MA(1.1420)で変わらず。1.1400から1.1450にかけては断続的にオファーが並んでいる。
【チャート1:VIX指数/S&P500指数ボラティリティ】
【チャート2:ドル円】
【チャート3:ユーロドル】
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