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ポンド円の見通し、5月高値の更新が視野に、注目材料は賃金データ

外為市場では根強い円安が続いている。主要なクロス円のひとつポンド円(GBP/JPY)は200円台の攻防にある。200.75レベルのブレイクアウトは新たな上昇局面のサインとなろう。そのきっかけとして注目したいイベントは?


この記事のポイント

・根強い円安とポンド高にサポートされ、ポンド円は200円台の攻防にある
・欧州の政情不安を受け、ポンドは対ユーロでも上昇している
・賃金インフレの根強さが確認される場合、ポンド円は上値をトライするだろう
・200.75レベルのブレイクアウトは、新たな上昇局面のサインとなろう


ポンド円、目先の焦点は200.75の突破

外為市場では根強い円安が続いている。それを象徴している通貨ペアが、ポンド円(GBP/JPY)である。

植田日銀は金融緩和政策からの完全なる脱却に向けて布石を打ち続けている。しかし、その動きは緩慢である。

対照的にイングランド銀行(以下では英中銀)の利下げ開始時期は後ずれし、現時点で短期金融市場は今秋以降の利下げ開始を織り込む状況にある。利下げ観測の後退を受け、ポンド円は再び200円台の攻防へシフトしている。

今日の雇用関連指標次第では、5月29日の高値水準200.75レベルを視野に上昇幅が拡大することが予想される。200.50の上方ブレイクは、200.75をトライするサインと捉えたい(下のチャート、赤矢印を参照)。

ポンド円のチャート:4時間足 3月以降

ポンド円のチャート:4時間足 3月以降 TradingView提供のチャートで作成

対ユーロでもポンド高が進行中

昨日の外為市場は円安優勢の展開となった。注目は対欧州通貨のパフォーマンスである。対ユーロでは円高となった一方、対ポンドでは円安となった。

外為市場のなかでも最弱通貨の部類にある日本円でユーロ安となった要因は、欧州社会で広がりを見せる対立とそれに伴う政情不安にある。

経済や移民の問題を受け、欧州では政治的に異なる立場の政治家を暴力で排除しようとする動きが見られる。今年5月、スロバキアではフィツォ首相が襲撃された。ドイツではSPD所属のエッケ欧州議会議員や中道左派のドイツ社会民主党(SPD)に所属するベルリンのギファイ前市長が襲撃される事件が起きた。

そして6〜9日に投開票された欧州議会選(定数720)では、極右や右派など欧州連合(EU)に懐疑的な勢力が伸長した。マリーヌ・ル・ペン氏率いる極右政党「国民連合」が大勝し、フランスのマクロン大統領は9日夜、国民議会(下院)の解散と総選挙の実施を発表した。

右傾化の流れはオランダやオーストリアにも及んでおり、域内の政情不安は短期的にユーロ相場の重石となる可能性があろう。

ユーロポンド(EUR/GBP)の動向を確認すると、重要サポートポイントの0.85レベルを完全に下方ブレイクし、対ユーロでもポンド高が進行している。ディセンディング(下降)・トライアングルのパターン形成と考えることもできる。

対円に加えて、対ユーロでもポンド高がさらに進行すれば、ポンド相場のサポート要因となろう。

ユーロポンドのチャート:日足 23年7月以降

ユーロポンドのチャート:日足 23年7月以降 TradingView提供のチャートで作成

焦点は英国の賃金インフレ

今日は英国の雇用関連指標が発表される。注目は賃金(2-4月の3ヶ月週平均)の動向である。市場予想は前年比で5.7%の上昇と、1-3月から横ばいの見込みである。一方、変動が大きいボーナスを含む予想は同比6.1%と、1-3月の6.0%から上昇する見通しである。

賃金インフレは英中銀の政策動向に大きな影響を与える。賃金インフレの根強さが確認される場合は、ポンド高を想定しておきたい。円安が続くなかでポンド高の圧力が高まる場合、ポンド円(GBP/JPY)は上で述べた200.50レベルを突破し、200.75のトライが焦点として浮上しよう。

ポンド円が200.75レベルをも難なくブレイクアウトする場合は、下で述べるレジスタンスの水準を視野に上昇幅の拡大を予想する。

一方、賃金が予想以下となる場合は、ポンド売りで反応する展開を予想する。

英国の賃金上昇率(週平均3ヶ月):23年以降

英国の賃金上昇率(3ヶ月週平均):23年以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成 / 赤のドット:市場予想

ポンド円、目先の見通しとテクニカル分析

200.75の次は202.07が焦点に

ポンド円(GBP/JPY)が上昇トレンドを維持する場合、最大の焦点は200.75レベルの攻防である。この水準をブレイクアウトする場合は、新たな上昇局面へシフトするサインとなろう。

このケースで注目したいのが、2011年以降の高安で算出されるフィボナッチ・エクステンション100%の水準202.07レベルである。ポンド円が201円台へ一気に上昇する場合は、このテクニカルポイントを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

ポンド円のチャート:月足 2011年以降

ポンド円のチャート:月足 2011年以降 TradingView提供のチャートで作成

2つの移動平均線と2つのリトレースメントの攻防

一方、ポンド円(GBP/JPY)が反落する場合は2つの移動平均線、10日線と21日線の攻防が焦点となろう。これら移動平均線がポンド円の下落を止める場合は、上で述べたレジスタンスの水準をトライする状況が続くと予想する。

逆にポンド円が21日線を完全に下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%と38.2%の水準の攻防に注目したい。これらテクニカルポイントはいずれも、サポートへ転換する可能性がある。

ポンド円のチャート:日足 3月以降

ポンド円のチャート:日足 3月以降 TradingView提供のチャートで作成

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