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金価格 3,000ドル視野に最高値更新が続く 出遅れ感強まる銀価格にも注目 金銀価格の見通し

24日の市場でNY金価格は最高値を更新した。金価格の上昇に追随し銀価格も先週、昨年11月以来となる33ドルへ到達した。短期間で上昇幅が拡大している金価格と比べて銀価格の出遅れ感が強まっている。反落の局面では銀(シルバー)の短期買いも考えたい。

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24日の市場でNY金相場は最高値を更新した。地政学リスク、トランプ米政権が世界の政治と経済にもたらす不確実性、そして米金利の低下とドル安基調が金価格の押し上げ要因となっている。金価格の上昇に銀価格も追随している。上昇相場の過熱感が意識されやすい金相場に比べて、銀相場の出遅れ感が強まっている。反落の局面では銀(シルバー)の短期買いも視野に入れたい。


NY金が最高値更新、上昇要因に囲まれ節目の3,000ドルが視野に

最高値更新、節目の3,000ドルが視野に
24日の市場でNY金の先物価格(4月物)は一時2,974ドルと、中心限月として過去最高値を更新した。8週連騰中のスポット金価格も2,951ドルと最高値を更新した。金相場は節目の3,000ドルを視野に強気相場を維持している。

上昇要因に囲まれるNY金
今の金相場は上昇要因に囲まれている。その一つが地政学リスクである。中東ではハマスと停戦中のイスラエル軍が23日、ハマス掃討作戦としてパレスチナ自治区ヨルダン川西岸に戦車を投入した。西岸の攻撃に戦車が投入されるのは2002年以来という(中東のメディア)。イスラエルとハマスの停戦維持の不透明感が高まっている。また、ロシアとウクライナの戦争停戦交渉では、ロシア寄りのトランプ米政権とウクライナ・欧州各国との間で軋轢が生じている。特に米欧の対立は、今後欧州の地政学リスクを高める要因になり得る。

トランプ関税がもたらす不確実性も金価格の押し上げ要因となっている。トランプ米大統領は中国をターゲットに関税の強化策を矢継ぎ早に打ち出している。

今月4日には公約どおり対中関税を発動した。またトランプ米大統領は21日、先端のハイテク技術や重要インフラなど安全保障に関わる中国投資を制限するよう対米外国投資委員会(CFIUS)に指示した。ブルームバーグの報道によれば、トランプ米大統領はメキシコ政府高官に対し、中国からの輸入品に独自の関税を課すよう求めたという。生産拠点をメキシコに移し中国企業の関税回避に対抗する措置とみられる。また、物資の輸送に使われる中国製の船舶に利用料を課す案も示したという。

今後は貿易相手国と同様の関税を課す「相互関税」も争点になるだろう。これら一連の関税強化策は、米国のインフレ再燃の可能性を高めるだろう。

米債市場はスタグフレーションの可能性を早くも意識か?
アメリカ消費者の期待インフレ率は、昨年の11月を境に急上昇している。トランプ関税によるインフレの再燃を先取りした動きと考えられる。また2月に発表された経済指標では、個人消費の落ち込みが確認された。

今後、雇用や景気に関連した経済指標が市場の予想を下回る内容が続けば、景気の減速とインフレ再燃が同時に発生する「スタグフレーション」が新たな懸念材料に浮上する可能性がある。

米債市場では早くもこの点を意識した動きが見られる。21日の市場で米国の10年債利回りは急低下した。週明け24日の市場でも低下の流れが続き4.4%の水準を完全に下抜け、4.38%台と昨年12月18日以来の水準へ低下した。米金利の低下を受け、ドル指数(DXY)は低下基調にある。

米国10年債利回り:4時間足 昨年12月以降

米国10年債利回り:4時間足 昨年12月以降

出所:TradingView


金価格の見通しと注目のテクニカルライン

今週のサポートライン、予想レンジの下限は2,900ドル
先週17日のIGコモディティレポートで筆者は、スポット金価格(以下では金価格)の反落相場を予想した。しかし金価格は10日線でサポートされ、強気相場を維持した。週明け24日の市場で金価格は最高値を更新した。金価格を取り巻く今の相場環境を考えるならばトレンドフォローのゴールド買い、そして反落の局面では以下にまとめたサポートラインでの押し目買いを考えたい。

・金価格の反落局面では、直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。特にサポートラインへの転換が確認された2,900ドルを挟んで展開している38.2%戻しと半値戻しの水準では相場の反発を想定したい。今日現在、サポートラインとして意識されている10日線が2,920ドル台へ上昇していることも反発の可能性を高める要因となろう。今の金価格は上昇相場にある。最高値更新の際は、最新のフィボナッチ・リトレースメントの水準を確認したい。

・金価格が2,920ドルを下方ブレイクする場合は、2,900ドルの維持が焦点に浮上しよう。今週はこのラインを予想レンジの下限と想定したい

・14日のような急落相場で金価格が2,900ドルを下方ブレイクしても、2,880ドル台まで上昇している20日線でサポートされる展開を想定したい。サポートラインへ転換した2,875ドルとサポートゾーンを形成する展開も想定しておきたい

サポートライン
・2,937:フィボナッチ・リトレースメント23.6%(1時間足)
・2,925:10日線(日足)、38.2%戻し(1時間足)
・2,916:半値戻し(1時間足)
・2,900:サポートライン(1時間足、日足)
・2,882:20日線(日足)
・2,875:サポート転換(日足)

今週のレジスタンスライン、予想レンジの上限は3,000ドル
上述した金価格を取り巻く相場環境が続くことを想定するならば、今週も強気相場を想定したい。以下にまとめたレジスタンスラインを突破する場合は、節目の3,000ドルが視野に入ろう。

・金価格が昨日の最高値2,956ドルを完全に突破すれば、2,960台への上昇を想定したい。2,965ドルはフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準にあたる。このテクニカルラインをも突破すれば、10ドルのレンジで上値の攻防を見極めたい

・金価格が2,990ドル台へ上昇する場合は、3,000ドルのトライを意識したい

レジスタンスライン
・3,000:今週の予想レンジ上限(日足)
・2,990:レジスタンスライン
・2,980:レジスタンスライン
・2,970:レジスタンスライン
・2,965:フィボナッチ・エクステンション61.8%(1時間足)
・2,956:最高値(1時間足、日足)


金価格のチャート

日足 2024年12月以降

日足 2024年12月以降

出所:TradingView

1時間足 2月14日以降

1時間足 2月14日以降

出所:TradingView


出遅れ感が強まる銀価格は短期の押し目買い狙い

金価格に追随し、銀価格も今年に入り上昇トレンドへ転じている。先週は、昨年11月以来となる33ドル台へ到達した。

しかし金銀比価の水準を確認すると、金と銀の価格が上昇し始めた2022年11月以降の平均をはるかに上回り、現在は90台の水準へ到達している。銀価格は上昇トレンドにある。しかし金価格と比べて、出遅れ感が強まっている。

金銀比価:日足 2022年11月以降

金銀比価の動向:日足 2022年11月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

銀価格の出遅れ感が強まる一方、市場では強気の見通しに傾いている。この点を年初来からの先物カーブの動向で確認すると水準が上方にシフトしている。

安全資産やインフレヘッジとしての投資妙味は金(ゴールド)に軍配が上がる。しかし銀(シルバー)もその特性を持つ。短期間で金価格が最高値を更新し続けている状況(買いの過熱感が意識されやすい状況)、そして市場の強気見通しも考えるならば、反落の局面では銀(シルバー)の短期買いも考えたい。

銀価格の見通し(先物カーブ)

銀価格の見通し(先物カーブ)

ブルームバーグのデータで筆者が作成


銀価格の見通しとテクニカルライン

銀価格は先週33ドルへ到達した後、調整の反落相場にある。日足のMACDはデッドクロスへ転じ短期的な下値のトライを暗示している。だが、上述した金価格の過熱感と市場の強気見通しを考えるならば、銀価格の反落局面では押し目買いを狙いたい。以下に注目のサポートラインをまとめた。

・最初のサポートラインは32ドルとなろう。このラインを挟んで20日線と25日線が展開している。いずれの移動平均線も、過去にサポートラインとして相場を下支えした局面が何度か見られた

・銀価格が25日線を下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメントの攻防が焦点となろう。38.2%戻しの31.63ドルはサポートラインへ転換した水準である。半値戻しの31.08は、31ドルの維持を見極める重要なテクニカルラインである。また、この水準でもサポート転換が確認されている。目先は31ドルを予想レンジの下限と想定したい

・銀価格の調整相場が進行し、予想レンジの下限31ドルを下方ブレイクする場合は、節目の30ドルをトライする可能性が浮上するだろう。フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準30.54の下方ブレイクは、30ドルをトライするサインと想定したい

サポートライン
・32.00:サポートライン(上下に20日線と25日線が展開)
・31.63:フィボナッチ・リトレースメント38.2%
・31.08:半値戻し
・30.54:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・30.00:節目のライン


銀価格のチャート

日足 2024年10月以降

日足 2024年10月以降

出所:TradingView


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