強気相場を維持する金価格、買いを仕掛ける水準とタイミング
金価格は反発のムードにある。しかし、2,400ドルのサポート転換が確認されない限り、反落相場を意識する状況が続こう。だが、新たなサポートラインを形成しつつある状況は、金価格が強気相場にあることを示唆している。目先は下値での押し目買い、そしてテクニカル水準を上方ブレイクした後のトレンドフォローの買いを意識したい。
サマリー
・新たなサポートラインを形成し、強気相場を維持する金価格
・米金利は高止まり、この影響を跳ね除ける強さが今の金価格にはある
・金価格の下落局面では、引き続き押し目買いを考えたい
・一方、反発の局面ではトレンドフォローの短期を買いを考えたい
強気相場にある金価格
スポットのNY金(XAU、以下金価格)の下落が一服し、現在は21日線の攻防にある。
MACDがデッドクロスで低下のトレンドへ転じており、一気に2,400ドルを目指すムードにはない。
しかし、新たな短期サポートラインを形成しての反発は、金価格が強気相場にあることを示唆している。
金価格のチャート:日足 今年2月以降
米金利と金価格の動向
こちらのIGコモディティレポートでは、金価格(XAU)のサポート要因として堅調な需要、特に中銀の買い需要を取り上げた。
今回は、米国の長期金利(10年債利回り)との関係から金価格の地合いについて考えてみたい。
米国の長期金利、特にインフレを考慮した実質長期金利(以下では米金利)の動きは、米ドル相場のトレンドを左右する。
金価格と米ドル相場は基本的に逆相関の関係にある。ゆえに、米金利の上昇(低下)は、金価格の下落(上昇)の要因となる。
以下のチャートをみると、2020年秋以降、米金利は緩やかな上昇のトレンドにある。その過程で金価格が下落する局面が見られたものの、今年の4月以降、2,400ドルを何度もトライする局面にある。
中銀の買い需要に加えて、米金利の上昇圧力(米ドル高の圧力)を跳ね除ける強さがあることからも、今の金価格が強気相場の最中にあることが分かる。
米国実質金利と金価格のチャート:日足 22年9月以降
下値での買いとトレンドフォローの買い
金価格(XAU)が強気相場の最中にあることを前提に考えるならば、こちらのIGコモディティレポートで指摘したとおり、金価格の下落局面では押し目買いのタイミングと水準を意識したい。
一方、上昇や反発の局面では、トレンドフォローの短期買いを意識したい。後者の買いでは、レジスタンスの水準を突破した後の買いを考えたい。
下のチャートを見ると、金価格は現在、直近高安の23.6%の水準2,354レベルで相場の戻りが止められている。この水準を完全に上方ブレイクし、かつその後の反落局面でサポート転換が確認される場合に短期の買いを考えたい。
次に注目したいのが10日線の水準である。この移動平均線は今日現在、2,376レベルで推移している(一番上の日足チャート、青ラインを参照)。10日線のすぐ下の水準2,372レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%にあたる。金価格がこれらテクニカルの水準を完全に上方ブレイクし、かつサポート転換が確認される際は、やはりトレンドフォローの短期買いを考えたい。
短期レジスタンスラインの突破は、2,372レベルと10日線を目指すシグナルと想定しておきたい。(下のチャートを参照)。
半値戻しの水準2,387レベルの突破は、2,400ドルをトライするシグナルと想定したい。この水準(2,400ドル)はレジスタンス転換の可能性がある。ゆえにさらなる買いは、2,400ドルの完全突破とサポート転換を確認したから考えたい。
金価格のチャート:45分足 5月20日以降
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